2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『ノーカントリー』*2

見る順番が逆ならば良かったのに、と上映前は思ったのですが、結果的にはこちらが後で良かったです。頭とお腹にずしりと残るわだかまり、重くて噛み砕ききれない問題がいくつも含まれていました。そこを描かないのか、と驚くところもあり、とても見ごたえの…

『ダージリン急行』*1

ユーモアはたっぷり散りばめられていたのですが個人的なツボにはまることはあまりなく、だからといって冷めた目で見ていたわけではなくて時々くすぐられて静かに腹筋を使いました。ゆるゆるでだらだらで、ちぐはぐな会話でもしっかりと視線は合っている、愛…

タワレコで探しても見つからなかったわけ。tape / TAPE / TAPE. / .tape. そのどれでもなく、dot tape dot*1の表記でした。 *1:http://www.myspace.com/puntotapepunto

「デジタルショートアワード」*1 3月29日23時より新宿ミラノ1にて開始。 *1:http://www.digitalshortaward.com/modules/tinyd0/

『ジェリーフィッシュ』*3

予告編から少女と浮き輪をつけた幼い女の子との物語かと思っていたのですが、それだけではなく群像ものでした。一つ残念なのは白い背景で陰をつけない白の字幕があるところがいくつかあって、科白がよくわからないままだったことです。 不器用な人たちの不器…

石井睦美「キャベツ」

頭の中で時々主婦になって料理をしたりする男の子が、ちょっと現実味に欠けるかなとも思ったのですが微笑ましく読むことができました。現実に兄妹という関係を知っているのでファンタジーとして楽しむことにしているのですが、妹のキャラクターに愛嬌があっ…

朝倉かすみ「好かれようとしない」

登場人物にクセがあるので、合わない人には徹底的に合わないかもしれませんが、こういう女の子のひねくれ方をとてもリアルだと感じてしまったためぐいぐいと引き込まれてしまいました。素直になれないけれど顔が真っ赤になってしまうのですぐに相手に伝わっ…

Akeboshi「Meet along the way」

相変わらずアートワークが私好みなので、レンタルしたは良いもののそれぞれ手元に置いておきたくなる作品です。音の方もポルカなど様々な国を想起させるものが取り込まれていて、郷愁の愁にあるように、秋の心を思い出してしまいました。何かが萌え出づる春…

オムニバス「午前零時」

これまた脂ののってきている作家さんたちによる、「午前零時」をテーマにした掌編作品集。オムニバスものというと恋愛や感動ものが多いという印象だったのですが、こちらはミステリやホラーなどもあっていつもとは違う楽しみ方ができました。想像力をかきた…

楊逸「ワンちゃん」

ぽんぽんと軽く書かれているようなのに抱えているテーマは複雑故重いもので、それを上手く包み隠しているので、時折見えるとハッとさせられてしまいました。表題作の「ワンちゃん」のワンちゃんは読むほどにいとおしくなっていって、もう一つの「老処女」は…

中山智幸「空で歌う」

描かれない明確な喪失、ふちどるに留まっているのでぼんやりとした穴は大きさをつかめずじまいで、キャラクター自体も少しぼやけながら、ドラマティックな展開になりすぎずに進んでいきました。ちょっと気取った表現が気になりましたが、それも主人公の性格…

ザ50回転ズ「50回転ズのビリビリ!!」

久しぶり、なんていう感覚は必要がないのかもしれません。構える余裕さえ与えてくれない、けれど流れてくる音に勢いがあっても乱暴ではないのでやすやすとリズムにのせられてしまう楽しさを持っているので、意味もなく頭を振りたくなってしまいました。

昨年はアラバキに行くことができたので、今年はタイコクラブ*1へ行きたいなあ、と密かに思っているのですがオールが少しばかりネックとなっています。けれどもろもろ見たい人たちが盛りだくさんでこれからも増えていきそうなので、渚音楽祭もこらえたら枷が…

胃の調子は可も不可もなく、マッサージに行こうかと迷ったもののその代わり手に入れたのはようやく値下げしてくれたシャホーでした。これで散歩したり小走りしたりしても安心できます。ところが今度は違うフロアでデジカメを見つけてしまい、あの表札取りた…

シュガー・ベイブ「SONGS 30th Anniversary Edition」

刺すような痛みのないやわらかな風を身に受けたのなら、どれだけ自分がとがってみても意味はないので音楽もやさしいものを選ぶことにしました。二年前の同じ頃にも聞いていたみたいで、その頃のことを思い返しながら、何度聞いても古いとはあまり感じない曲…

二度寝三度寝でリフレッシュできたはず、と起きた瞬間は比較的楽だったもののいざ立ち上がってくるとお腹のあたりに不快感。けれどこれが昨日の油のもたれによるものなのかわからなくなってきました。よくよく考えてみれば賞味期限が切れた野菜ジュースも飲…

朝に食べたお菓子の油が身体に合わなかったせいか、ずっと胃が不調。散歩をして気分転換をはかっても不調、薬を飲んでも不調、熱を測っても36度前半、ちょっと寝込んでも気持ちが悪いままで、ああこれはもう若くないという証拠なのかと余計落ち込んでしまい…

オムニバス「Sweet Blue Age」

旬の作家さんたちが盛りだくさんで、世界も様々なので一つひとつの作品をおいしく味わうことができました。中でも有川浩さんの作品は一番こそばゆくて、そのくすぐられかたも懐かしい気持ちがして心地良かったです。単行本で読もうと思っていた森見さんの「…

DOES「SUBTERRANEAN ROMANCE」

かわいているようにもねっとりとしているようにも、からみつくようにもクールなようにも聞こえる、不思議な声の魅力にかこわれてしまって、どっちなのだろうかと考えたところで結論が出るはずもありませんでした。真正面より横顔を見ていたくなる、きっとか…

五月雨でやってくる郵便物を食べてしまいたくなっても我慢。

「KORG DS-10」*1というDSのソフトに釘付け。自分が欲しい、というよりもっと身近になって様々な人たちがこれで曲をつくって、それを聞かせてもらいたいという気持ちの方が強いです。 *1:http://www.aqi.co.jp/product/ds10/jp/index.html

tobaccojuice「HAPPY REBIRTHDAY」

言葉にしてしまうと違うような気がするのですが、彼らのライブは本当に魔法がかけられているかのように心へ何かが流れ込んできて、音にソウルや魂と呼ぶようなものが込められているのだなあ、と改めて圧縮されたライブの音を聞いて実感しました。音源よりも…

絲山秋子「ダーティ・ワーク」

読めば読むほど絲山さんに絡め取られているのかもしれません。短編連作で、ちょっとしたつながりがくすぐったく、絲山さんの作品にしてはどろっとしたところが少ないような気もしたのですが、軽さにも味がきちんとついていて、ついついうなってしまいそうで…

伊藤たかみ「ドライブイン蒲生」

気取っていたり恵まれていたりする人物ではなく、お昼のドキュメンタリーに出てきそうな人たちなのに、彼らに対する視点がぶれていなかったので引き込まれてしまいました。上から目線でも過剰でもなく、ありのままをうつしとっているかのようで、生き生きと…

大村あつし「無限ループ」

設定や発想でぐいぐいと引っ張るところがあっても、なぜだかこういう系統の作品にはフォーマットがあるのか似たような文体となっていて、それが当たり前なのかもしれませんが、つい気になってしまいました。不気味タモさんの番組でメディア化されたら見てみ…

中村一義「金字塔」

誰かに何かをたずねてもらいたかった、問いを投げかけてもらいたかった、そのためスタートは二曲目から。何度聞いても色褪せない曲たちは感情の色もその度に変えてくれて、共に口ずさみながら問いを空に返してはまた自分に落とし込みました。歌が聞きたいで…

ゆるんだ空気に次の冬のことを思う。

品川ヒロシ「ドロップ」

寝かせておこうかと思ったもののたまたま見つけたので、借りてみることにしました。くすくすと笑ってしまうようなところもあったり、ぽんぽんと進む会話が気持ちよかったです。そこはかとなく漂う自意識のかたまりが、良くも悪くも品川さんらしくありました。

中上紀「彼女のプレンカ」

明日は死なないから、飛んでごらん 明日は飛んで行かないから、今夜は歌おう。 どこかの国のこと、その土のにおいが訪れたこともないのに漂ってきて、さまよっている人たちを傍で見守っているかのような錯覚もありました。もっとドラマティックになったかも…

アナログフィッシュ「アナログフィッシュ」

初めて彼のドラムが好きだ、と認識したのはAXで「バタフライ」を聞きながら壁にうつる影を見た時でした。激しくても決してぶれず、ぴんとのばした背筋は見ていて気持ちが良くて、どんな時でも笑顔で楽しそうに叩いていました。マイクが拾うのはハーモニーだ…