2008-03-12から1日間の記事一覧

絲山秋子「ダーティ・ワーク」

読めば読むほど絲山さんに絡め取られているのかもしれません。短編連作で、ちょっとしたつながりがくすぐったく、絲山さんの作品にしてはどろっとしたところが少ないような気もしたのですが、軽さにも味がきちんとついていて、ついついうなってしまいそうで…

伊藤たかみ「ドライブイン蒲生」

気取っていたり恵まれていたりする人物ではなく、お昼のドキュメンタリーに出てきそうな人たちなのに、彼らに対する視点がぶれていなかったので引き込まれてしまいました。上から目線でも過剰でもなく、ありのままをうつしとっているかのようで、生き生きと…

大村あつし「無限ループ」

設定や発想でぐいぐいと引っ張るところがあっても、なぜだかこういう系統の作品にはフォーマットがあるのか似たような文体となっていて、それが当たり前なのかもしれませんが、つい気になってしまいました。不気味タモさんの番組でメディア化されたら見てみ…

中村一義「金字塔」

誰かに何かをたずねてもらいたかった、問いを投げかけてもらいたかった、そのためスタートは二曲目から。何度聞いても色褪せない曲たちは感情の色もその度に変えてくれて、共に口ずさみながら問いを空に返してはまた自分に落とし込みました。歌が聞きたいで…