楊逸「ワンちゃん」

ワンちゃん
ぽんぽんと軽く書かれているようなのに抱えているテーマは複雑故重いもので、それを上手く包み隠しているので、時折見えるとハッとさせられてしまいました。表題作の「ワンちゃん」のワンちゃんは読むほどにいとおしくなっていって、もう一つの「老処女」は滑稽ながらも苦い気持ちが広がっていきました。