中上紀「彼女のプレンカ」

彼女のプレンカ (集英社文庫)

明日は死なないから、飛んでごらん
明日は飛んで行かないから、今夜は歌おう。

どこかの国のこと、その土のにおいが訪れたこともないのに漂ってきて、さまよっている人たちを傍で見守っているかのような錯覚もありました。もっとドラマティックになったかもしれないけれど、ささやかなところで静かに話が進んでいくところが良かったです。