Tokyo Real

Tokyo Real

「り」
あれ、代表作に「DEEP LOVE」と書いてあるはずではなかったか、という疑問が解決したのは読み終わってからしばらくしてでした。ローマ字で作品が横書きで今時の女の子を描いているからと早とちりしていたようで、そちらはYoshiさんでした。
薬は危険、愛の力は偉大、悲劇は突然、罪は重い、友情は大切。こきおろすのは簡単なのかもしれませんが、きちんと向き合ってみようということで別の視点から考えることにしました。彼が伝えたいたい人に向けて書いたメッセージは手の届きやすい位置にあって、それは横書きだったり行間が広かったりいわゆるギャル語だったり絵文字だったり、身近なものだけに受け入れやすくなっていました。あまりに口語のままで読みながら多少心配にもなりましたが、時代を描写するという点においては非常に意味のある作品のような気がするので、安易な展開でも意味ありげな表現をこれみよがしに使っていても、それが味なのだと思うことができました。おそらく対象とした人たちにきちんと伝わっていれば、どんなことを言われても作品として成立するのでしょう。ということで、婉曲にどういったものなのかを示しておくと、想像通りの展開なこともあって読むのが早い人ならば15分もしないうちに終わってしまう物語でした。
本当ならリリーさんのを読みたかったのですが、今だと斜めでつまらない読み方をしてしまって損しそうなので、何年かあたためることにしました。