『屋根裏のポムネンカ』*4

前日がデジタル、そして今回はアナログなある意味ファンタジーの世界。本当ならレイトの『イジー・バルタ短篇集』とつないではしごしたかったのですが、上映が先週までだったので、キェシロフスキの特集上映の誘惑に耐えながらこの一作品をたっぷりと味わいました。それにしてもユーロスペースは次から次へと好みの作品がかかるので、見逃さないうちに行かなければならないのに、『九月に降る風』は18:40という厳しい時間……!

ほこりまみれだったりつぎはぎだったりして、どれもこれも単体で見るとかわいいとは思えないどころか気持ち悪い、不気味なのに、動きだして声を出してキャラクターが出てくると途端に愛嬌が感じられてきて、粘土がびっしゃあとなっても格好よく見えてくるのが不思議でした。おもちゃのチャチャチャの世界ではあるのですが、そこにはきちんと社会があってルールがあって善悪があって、人間が使っているものを活用しているのが微笑ましかったです。みんな抜けている部分があって登場人物のキャラがどれも立っているので誰派かと聞かれたら困るのですが、冬用モコモコスリッパをベッドにしてすやすやと眠る姿にやられてしまったので、クマのぬいぐるみのムハ派だと言っておきます。
吹き替え版だと佐野史郎さんが声を当てているらしいのですが、サイトを見てみたら彼が声をあてているフラヴァの人物紹介に「チェコ版冬彦さん」とあって、元祖冬彦さんの声で聞いてみたくなってしまいました。