桂望実「明日この手を放しても」

明日この手を放しても
桂さんの描く物語はしっかりエンターテイメントしているのに勧善懲悪で終わらないところが魅力なのかもしれません。一見良い人に見えても実は、という人の裏側を見せたり、それだけで終わらせずにくめないところもあったり、年を重ねていくうちに態度が変わっていくところもさりげなく書かれていて、全盲となってしまった妹と彼女に対する兄の視点が入れ替わるうちに映像がどんどんと浮かんできました。