八月の路上に捨てる

八月の路上に捨てる

場所を移動していく描写が多いせいか、なぜだか映像的な印象が強かったです。視点と思考とがそこかしこへと飛んでいっては戻ってきて、行ったり来たりしているのに戻るところは結局一つで、その大きな戻る場所を抱いて少しずつ動いているようなイメージ。恋愛と結婚と離婚と不倫とすれ違いとデートと会話と、と、男女間のズレに関しても描かれていましたが、なぜだか移動する、というところにばかり意識が向いてしまいました。