『リトル・ミス・サンシャイン』*1

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楽しみにしていたのに何度も逃していて、やっと見られた作品。アカデミー賞を獲ったらロングランになるかもしれないけれど混雑してしまうかもしれないので、今のうちにとウッキウキで劇場へと向かいました。少しだけ内容に触れるので閉じます。
期待を裏切らないもので、見事に好みの作品でした。『マグノリア』や『ハピネス』、現在公開中のものでいうと『イカとクジラ』などに通ずる世界観があって、こういうものをスパイスとして入れておけば受けるんでしょ、という穿った見方もできますがそういったポイントだけではなくこの作品はこの作品できらっと鈍く光るものがあって、ひとりひとりの無茶苦茶さ加減が次第にほぐれていく様、バラバラなのに段々と家族の愛が見えるようになっていくところでぐいぐい引き込まれてしまいました。中でもおじいちゃんが亡くなって落ち込んでいる母親に対して無言の誓いをした兄が妹に向かってお母さんをハグしろというメモを見せて、それを踏まえた上で、後に兄が自棄になっている時に妹が無言で兄を抱くところがとても良かったです。それぞれを取り上げていると切りがないぐらいで、終盤まで秘密にされていた妹のダンスの内容も、その後からラストにかけての展開も、ご都合主義に投げるのではなくシニカルさを含めながら現実的に描かれていて、これはまた見てみたいし、あまり躊躇せずに人に勧められる作品だったので安心もしました。泣き笑いのストーリー、哀しくて厳しいけれどあたたかい世界でした。