『それでもボクはやってない』*2

上映時間の組み合わせがうまくいって、先にこっちを見ていればなあと思いましたが、こちらはこちらでなかなか見ごたえのある作品でした。


滑稽さもあって外国でくすくすと笑いが起きるというのも納得できましたが、いつこれが起きるともしれない日本に住んでいる身としては、男の人は大変なのかもしれないな、という感想を抱きました。内容は想像していたよりも重いテーマを含んでいて、中学から電車通学していたこともあって色々と思うところもありました。終盤に見つかった唯野未歩子さん演じる証言者の言葉で、痴漢って気づかれないようにするものでしょ、というような部分が当たり前のことなのにもっともずっしりきてしまって、その科白に裁判官が反応するかと思いきやそんなこともなかったところもとてもリアルでした。あるシーンでパソコンを使って検索する際に出していたサイトがgoogleだったことも印象に残っています。演じた本人も言っていましたが、間違ったことはしていないのに小日向さんが何ともこにくたらしかったです。
舞台で実際に見た加瀬さんは元生徒に似すぎてびっくりしたのですが、髪型と服装のせいかこの作品ではさほど気にならず、それよりも角度によってはペリのタカハシさんに似ているなあ、などと思いながら、加瀬さんの役の幅広さを感じました。出演者も細かいところまで豪華で描いているものが重い分、この人がこんなところに、と見つけるのがちょっとした楽しみでした。