コイノカオリ

コイノカオリ

図書館の「わ」の棚の欄の次にあったのはオムニバスもので、割と新しいものが揃っていたので今時の作家さんを読むにはちょうど良いだろうと普段はあまり読まないラブストーリーものに手を出してみました。でも題名から連想する甘ったるさはあまりなくて、どれも読み終わった後にふっと思い出し笑いをしてしまうような、静かで優しい世界が描かれていました。それぞれに味があって相手に抱く思いやその行動の違い、描写の仕方に情景を思い浮かべたりしたのですが、コンセプトを一つにしたせいか、この本を一人の作家さんが書いたと言っても違和感のないような気がしてしまって、もうちょっとパンチがある作品があった方が良かったかな、と贅沢な感想も抱いてしまいました。