いつかパラソルの下で

いつかパラソルの下で

「も」
児童文学をたくさん書いている作家さんなのでやわらかでやさしくて影も適度に調整してあるのだろうなと思いながら読みすすめてみると、さらりと大人な描写があったり登場人物が性にゆるかったりして、少し意外な気持ちになりながらページをめくりました。当人にとっては生死を左右するようなことであっても他人から見れば些細であったり、本人でも時間が経てば冷静に受け入れられるようになること、それが既に事実としてあるものと徐々にそうなっていく過程がそれぞれに描かれていて、主人公もろとも読みながら肩透かしをくらった気分になりながら、現実ってそういうものよねと妙に納得するところもありました。