人生の深淵について

人生の深淵について

「に」
読みやすく、誰しも一度はそのテーマについて考えたことがあるのだろうと思えるものを扱っているのですっと入ってくる内容、であるにはあるもののひっかかる部分がちょこちょこと。論説文やエッセイなどは書いている側にきちんとした主張や多少偏った思想がないと面白みがないので、その点フラットに見せようとしながらも自分の意見はきっちり通している彼の作品は読み応えがあるのかもしれません。ただわかりやすい言葉を使いながらもまわりくどく同じような内容を何度も言ってみたりしていて、おじさんもうわかったから、あなたが頭良くて個性的な人だってことはよくわかったから、と言ってしまいたくなったのは、どこか優越感を覚えながら書いている文章のように思えながらそれを相手に感じさせるとわかっていて予防線を張りながらあえてやっているんですよ、というようなスタンスをしていたからなのかもしれません。要するにこの文のようなものなのですが、目が痛くて見直す余裕もないので、自分が今何を考えているのかまるでわかりません。そんな感じの作品でした。