猛スピードで母は

猛スピードで母は

「な」
中篇が二作、両方とも淡々とした少年と少女の日常が描かれていて、どこかしらさめている部分がやっぱりありました。日常の描写が丁寧で、彼らを取り巻く環境がどういうものなのかわかりやすく、驚くような事件があるわけでもないながらに少しずつ変わっていくところがあって、情景も思い浮かべやすかったです。さすがは芥川賞受賞作品、でも実際好みは主人公の父親の愛人さんが魅力的に見えた「サイドカーに犬」の方でした。