フジファブリック 野音ライブ

立ち見のお客さんも結構いて、ちょっと人気に尻込みするほどでライブのノリも若かったらどうしようと心配になりつつ座席までふらふら。野音でこんなに近い場所で見るのが初めてで、スピーカーが近い位置だったせいか右耳がまだおかしな状態です。そのせいなのかはわかりませんが、とても音が厚く太くなっているように聞こえました。
というわけでメールマガジンで送られてきたセットリストを参考にしつつ、いつも以上にだらだらと支離滅裂のメモ、閉じます。


ドラムが変わってから初めてのライブ、終始サポートの城戸さんばかりを見てしまいました。ゆるくパーマがかかったような長い髪を振り乱しながら力強く太鼓を叩いて、スティックをまわしたり紐みたいなものをくっつけたもので叩いてみたり、どこか余裕を感じられて、ああドラムに引っ張られているなあ、という印象が消えなくて、JUDAの人だしきっと年長なのだろうなと思っていたら同年代だと知って驚き。スピーカーからドコドコ聞こえてくる音はパワフルで志村さんの声が時折かき消されてしまうぐらいで、曲によって違和感を覚えるものもあり、合っていると思えるものもありました。バンドとしては全体的に雄々しくなっていて、よりロック色が強くなっていました。
一番最初は「桜の季節」で昼に通った公園のことを思い返しながら、「虹」を早速やってくれてちょっと安心、アンコールでやったらどうしようかと思っていたので続けて「モノノケハカランダ」が流れて盛り上がる曲が消化されていくのにふと笑みが浮かんでしまいました。久しぶりの曲を、と言って始まったのは「消えるな太陽」で、サビの部分が早くなっていて随分とアレンジが違っていました。いつか東京の野外でやると思っていたと言っていた「茜色の夕日」はライトが最初青くておかしいなと思っていたら終盤になってだんだんと赤く色づいてきて、そういえば今日は照明にもお金かけているな、カメラもたくさん入っているからDVD化されるのだろうな、なんて邪なことまで考えてしまう始末。
個人的に一番ひきつけられてしまったのは、「環状七号線」から「打ち上げ花火」に続いて「追ってけ追ってけ」にかけての流れでした。特に「環状七号線」は照明が薄紫色でサーチライトのように壁や客席を映し出すところが曲の雰囲気と合っていました。それからの流れは薄暗く陰を感じさせるもので、気持ち悪さからしてもう、たまりませんでした。はっきり言ってそれまで披露された新曲二つはいまいちぴんとこなくて、もう彼らの目指しているものと私が求めているものは違うのかもしれない、悲しいけれどそういう現実が出てきてしまったのかもしれない、と落胆していたのですがその直後にたまらないものを見せつけられてしまったものだから、どう対処すれば良いのかわからなくなってしまいました。
それから曲調も変わって「陽炎」、本編終わりかと思いきや「ダンス2000」で盛り上げて「TAIFU」でさらに盛り上がって「銀河」で終了。最初と最後に盛り上がりを持ってきて中盤はどよーんとしたものになっていて、いまいち盛り上がりにかけたのかもしれませんが良かったです。
アンコールは久しぶりにやると言って始まった「赤黄色の金木犀」で、この曲を聞くのはさいたま以来なのですが、その時と比べるとうーんと首を傾げてしまうところがありました。ライブではテンポが速くなりぎみだった「陽炎」や「銀河」がきちんと音源に近い速さだったのに対してこの曲はイントロと最後のギターの部分だけがゆっくりで音が厚くなる部分に入ると急にテンポが上がってしまっていて、情緒を感じるどころではなく骨太さが強調されてしまって違和感がつきまとってしまいました。ああ、でもさいたまで聞いた時はちょうど金木犀の季節だったから余計に感情が揺れてしまったのかもしれません。
ラストは「線香花火」で、聞きたかったこともあって終わりとしてはまとまりがないのかもしれませんが、新曲や「Birthday」で終わらなくて良かったとホッとする部分もありました。どうなのだろうか、新曲はいまいちひっかからなかったのに昔の曲が演奏されると反応してしまう部分があって、ただそれは耳に馴染んでいない上に演奏する側も慣れていないのが原因なのかもしれませんが、古いものもきちんと演奏してくれた彼らに私は何を求めているのだろうか、と余計にこんがらがってしまっています。妄想ソングの「NAGISAにて」や「花屋の娘」が聞けなかったから様々な思いがわいてきているのでしょうか。


さて、そんな混乱もありつつもう一つ驚いたことがあって、志村さんが「最近はまっているものがあるとかないとか」と口調がそのままでもしやと思って、金澤さんと二人してはまっているものとして挙げられたものがCNCことチンパンニュースチャンネルでした。番組恒例の「ごもっともー」というものまで実演していて、番組を説明しようとしてもうまくしきれていない上に、次の曲終わりにまでまだ引きずっている志村さんがおかしかったです。相変わらずMCはぐだぐだ。


次に彼らのライブを見られるのはZEPP、平日な上にお台場なので開演に間に合うか微妙なところですが、今日よりもドラムが馴染んで4+1ではなく融合してバンドとしての音が聞けることを期待することにして待つことにします。何しろ同年代、色々悩んで色々変わっていく様を見ていきたいではないですか。