イズ・エー [is A.] [DVD]

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卒論関係で思春期ものについて読んだり映画を見たりしていたので、今でもそういう関係の作品を見ると興味がひかれます。未成年の犯罪についても答えがなかなか出ないものなので、実際にあった事件や創作の世界で描かれる彼らの内面を知り、余計知りたくなっているのが現状です。私が思春期だった時代より確実に彼らを取り巻く環境は変わっていて、日常に携帯電話が溶け込んで、より賢くなっている描写は見ていてとてもリアルでした。何を考えているのかわからないし、その内面を見ようとしても拒絶されているわけではないのに何もつかむことができない、そういう人々。表面上は普通の子を装っていても一歩輪から外れれば本当の自分に戻って、信じられないような行動を取ったりする。それは私が生身の中高生と向き合う機会があったから余計に現実味を帯びてくるもので、こんなのは映画の話だけだと吐き捨ててしまえるほど、遠い距離にはいません。何を考えているのかわかりやすい子だって心に深い不快闇を抱え込んでいる場合もあって、彼らよりも経験を積んでいる大人たちは少年少女が持っている事情を本当に理解することなどできない、だから「わからない」という言葉で拒絶してしまう。心情を吐露することが滅多にない彼らに対し一定の距離を保って描いていて、客観的であればあるほどにその現実に恐ろしくなってしまいました。