あきれるほどのゆくえ (WORD&TRAVEL BOOKS)

あきれるほどのゆくえ (WORD&TRAVEL BOOKS)

amazonも本屋さんもどこへ行っても在庫切れ状態だったので、古本屋で運命の出会いを果たすしかないのかとあきらめていたのですが、ソウルセットの公式サイト*1で購入が可能になっていました。しかもビッケのサインつき!
彼の書く文章そのものが詩になっていて、文字を追っているのにどこかからビッケの声が聞こえてくるような気さえしました。そして読んでいて抽象的な単語が多いからなのか、外国作品を翻訳したものに似ていると感じました。とらえどころがないようでいて、一つの言葉をたぐっていけばいくらでも解釈ができるようになっています。
装丁の色遣いも好きで、ページにも模様がついていたりして、言葉も色彩もフォントも好きなものばかり。この本が出たのは1999年で、たぶんソウルセットはギリギリ休止前の状態。夜明け前の世界に住んでいたビッケは昼の世界にも目を開けようと決心し、そして新しい世界がスタートしたのでしょう。詩的な部分をやわらかな曲に乗せて幻想的にみせるナタリーワイズと、溺愛すべきハルカリの存在はとても大きいのかもしれません。そして戻ってきてくれたソウルセットの新譜は力強く、何度リピートしても飽きません。これから彼が、彼らがどこへ向かっていくのか、それをちゃんと見て行きたいです。