『ぼくのエリ 200歳の少女』*2

こちらの作品だけ見ようと思ったら満席だったので、レイトにしてもう一本見ることになりました。レイトも結果的に満席なのは、ひとつの劇場でしかやっていないということも原因でしょう。
一言でまとめるならば、アートの木下さんが好きそうな世界。先に見ていた作品が土くさかったり湿気を感じるものだったのに対してこちらは正反対の、乾いた真っ白なユキの風景が広がっていました。白の中の血はとても目立って、こちらも乾いた印象を与えそうなのになぜか生々しい。
エグい描写は上手いこと見せないようになっていたので、そこが心配な方も大丈夫です、とメモしておきます。
少しだけ内容に触れるので閉じます。

歳を取る少年と永遠にそのままの少女の関係性を描くとして、老人のところまで映すものだと思っていたら、この作品は少年と少女のところまででした。老いることで感じるカタルシスをあえて描かなくて、だからこそ少年と少女の純粋さに悲哀をあまり感じなかったのかもしれません。それにしても真っ白な少年の美しいこと!(空中キャンプさんの文章を読んでみて、そういえばエリは少女ではない可能性もあることに思い至り、その場合別の意味合いも生まれてくるので、また見たくなりました。)