アナログフィッシュ「ナツフィッシュ2010」

今日わかったこと。私にとってアナログフィッシュは、歩かせてくれるバンド。家にこもっていたとして、連れていかれたり呼び出されたりするのではなく、自発的に出て行こう、外の空気を吸おうと思わせてくれるので、そそのかされるというのに近いかもしれません。聞きながら何度も散歩したくなりました。


実は前回のクアトロぶりだったのでアナログ欲は当然のこと高まっていて、最初から最後までテンションも高めだった可能性はあるのですが、冷静でいられるはずもありません。はじめてのものやひさしぶりに聞ける曲もある中、どんな感情でいれば良いのかわからない気持ちが生まれてしまったのは「ナイトライダー」を1から3まで続けて聞くことができたからでした。どっぷりとした夜の密接なあの世界に飲み込まれてしまって、頭の中の景色も次から次へと流れていって、ロードムービーが勝手に出来上がっていました。3まで聞けたのはジョントポール以来かもしれません。あの時間だけ空気も全然違っていて、息を呑むものがありました。
下岡さんの新曲「ナナナ(仮タイトル)」は斜に構えながらも前に進んでいく感じで、もどかしくてやりきれない気持ちを込めているのにナナナ言う部分は突き抜けているので悩んでても仕方がないでしょと言われているようで、しかもアンコールで掟破りの二回目が演奏されたものだから、印象に残らないわけがありません。めずらしく自分も歌いながら何だか泣きそうになってしまいました。
佐々木さんの新曲だけしかアンコールで何をやるか決めていなかったらしいのですが、もう一曲で「夕暮れ」をやってくれたのが嬉しくて嬉しくて力が半分抜けてしまいながらも、頭を別の景色が支配していました。もし自分の中でもっとイメージが広がるようなら、この曲の世界のことを話にしたいと思いましたが、それにはもっともっと時間が必要となることでしょう。
三人だけのステージはそれだけで結束力を強く感じて、コーラスのうつくしさにも改めて気づかされました。シンプルだけど人の声が重なるだけでこんなにもいろどりが増えるなんて!
追記。もう一つ印象に残ったことは、拍手がとても長い! おざなりではなくきちんと心を込めて手を叩いているのがわかって、中でも「ナイトライダー」後の拍手がいつまでも鳴り止まなくて、自分も感情を揺さぶられながらもっともっとと手を強く叩いてしまいました。

十月に九段会館にてスペシャルライブをするという発表を聞いた時、またしても泣きそうになってしまったのは歳のせいなので許してください。