peridots Acoustic Live "Echoes & Walls"2010

土日とTAICO CLUBに行くつもりだったのですが事情が変わってキャンセルし、それならペリに行きたい、行きたい、でも完売……なんて肩を落としてもあきらめなければなんとかなると知りました。調べてみたらライブを見るのが三年ぶり!


初めて行ったShibuya PLEASURE PLEASUREは元映画館をそのまま使っているだけあって、座席もドリンク・傘ホルダー付き、座り心地も抜群でした。ソフトドリンクも充実していて、フードにも交換可、ライブハウスというよりコンサート会場という雰囲気で少々堅苦しくもあって、聞かせる系のライブにはぴったりでした。個人的には劇場欲が高まっていたので、満たしてくれたことも良かったです。
弾き語りライブといってもタカハシさん一人でずっとやるわけではなくて、途中からは鍵盤とギターが入る曲もあったのですが、一曲一曲の間にチューニングとMCも入るのでゆるゆるとした印象がありました。
youtubeに上げられていた曲*1をちゃんと聞いていなかったのですが、初めて聞くものでも言葉を噛み締めて聞ける環境だったので、一つひとつの声と音が自分の中でひろがってにじんで、なじむものも残るものもありました。この人の声はどうしてこんなにすんでいるのにその裏側を感じることができるのだろう、と不思議に思いながらも納得してしまうのは、年の分層があって、澱になっている部分があるからなのかもしれません。最初からきれいなわけでなく、清濁あわせた、混沌としたものをこした透明さは純度が高く、私も年齢を重ねれば重ねるほど響いてくる。年のせいか涙腺が弱くなっているのかもしれない、という可能性については脇に置いておきます。
新曲と言っていた「Smile」(こちらはyoutubeに上がっています)も「ライフ」も、曲調は違いますが共通する印象を受けました。相反することを持っていても、その矛盾を何とかしようとするのではなく、若い人から見たら「あきらめ」とも思えるかもしれない態度で受け入れる、酸いも甘いも知っているから描け、歌え、届くものでした。、理想と現実の狭間で揺れていたのも過去のこと、そこにあるのは何者でもない自分だけ。「長かった一日が終わろうとしている」もゆるやかに自分の中に染み込んできました。
「リアカー」や「メトロ」などそれぞれの曲について書きたい気持ちもあって、贅沢を言えば「歌は常に雄弁である」も聞きたかったですが、改めて聞いて響いた曲があるのでその揺らぎを大切に取っておくことにします。「ライフ」の、高音から低音に下っていくところ良かったな‥…。