『かいじゅうたちのいるところ』*4

絵本を読んだことがなかったのでまっさらな状態で見ることができました。深読みしすぎる癖が出てきてしまったせいで、もっとこじれてもしかすると悲惨なことになるのかとひやひやしていたのですが、話としては至ってシンプルでした。話の内容ではありませんが描写についてちょっとだけ触れるので一応閉じます。

気になったのは「食べる」ということ。主人公のマックスが怒りの頂点を越えるきっかけとなったものが夕食で、それから家出をして向こうの世界へ行ってしまってからは食べる行為が出てくることはありませんでした。でも誰かを「食べる」という言葉がキーとして出てきていて、直接的な描写がまったくないので気になってしまい、かいじゅうたちのキャラをそれぞれ把握しながらも別のことを考えてしまいました。あっけないほどに元の世界へと帰ってきたマックスが母親に撫でられながら最後に食事をするシーンで閉じるので、食べる描写を見せることで現実を知らせているのかな、とストーリーとはあまり関係のないところが引っかかってしまって絵本がどうなっているのか読みたくなってしまいました。映像の綺麗さや曲の幻想的な感じを差し置いてしまったので、申し訳ないことに感動するというよりも興味が先立ってしまって損した気分です。