どうしても見たかった作品をレイトで見てあわてて帰ってきたところなので、いろいろ悩みましたが結局は勢いで押し切ってしまいます。ということで、今年も「空中キャンプ」(id:zoot32)さんにて行っている「2009年の映画をふりかえる」に参加します。(2008年の私の回答はこちら、2007年はこちら、2006年はこちら)。

  1. 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別
  2. id:whose / 女
  3. 2009年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください
  4. 『ディアドクター』

    アンヴィル!夢を諦めきれない男たち

    『九月に降る風』

    『ディアドクター』については、3で挙げているシーンが私にとってメインとなっているので、全体としてとらえるとちょっと弱いかもしれません。それでも香川さんが適度に気持ち悪い役柄だったこともあり、記憶から抜け落ちているところがたくさんありそうですが三つのうちの一つに選びました。

    アンヴィル』はつい数時間前に見ました。これは極楽とんぼの加藤さんがラジオで説明をしていて興味を持ったのですが、展開を知っていても十二分に楽しめました。急いで見に行って良かった! 五十歳を迎えてもなお音楽を続け、メタルの道を走り続けるおじさんたちのドキュメンタリーは、ドラマみたいにうまくいくことばかりではなくて笑っちゃう現実にいくつも直面するのですが、情けないしみっともないのに、なぜか格好良くて、想像していたよりも鳥肌が立ってちょっと涙ぐんでしまいました。おとなげなく喧嘩して、愛しているから八つ当たりしちゃうだなんて、いとおしいおじさんです。ちなみに音楽のドキュメンタリーということでマイケルのものもあるのですが、こちらはどうしても映画というよりライブという感覚が強かったので枠から外しました。

    『九月に降る風』、これは完全なる好みです。台湾の高校生たちの青春群像劇なのですが、九十年代を題材にしていて連絡手段がポケベルだったり飯島愛という単語が出てきたり、ちょうどその頃が十代まっさかりだった私としてはがつんと来てしまいました。台湾内の問題として野球界の話などもあったので完全なる共感はできないのですが、距離があるからこそ受け入れられて自分の記憶がよみがえってきたりもしました。もしかすると邦画でこのような作品が上映されたとしても、斜に構えてしまったかもしれません。二人出てくる女の子のうちの一人がハリセンボンのはるかさんに似ている、というポイントもおさえておいてください。

  5. 2で選んだ映画の中で、印象に残っている場面をひとつ教えてください
  6. 今でも鮮明に思い出すのは、『ディアドクター』における母子間の、無言の会話です。八千草さんと井川遥さんが目だけで会話というか、お互いに悟ってしまうという、家族だからこそ、同性だからこそ感じてしまう本当に微妙なところの表情のやりとりがたまりませんでした。昨年はパシュミナ姿の井川遥さんの色気にやられてしまっているので、何らかの魔法にかけられているのかもしれません。
  7. 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか
  8. 香川さん好きなはずなのに香川さんが出ている作品を今年はあまり見ていなくて申し訳ないです。情けないおじさんが大好きなので『アンヴィル』の二人も良かったのですが、これはドキュメンタリーなので役者というよりも本人そのものなのではずしました。アニメーションで言えば『屋根裏のポムネンカ』のクマのぬいぐるみのムハの動きが好きでした。

    役者さんのものすごい強さを感じたのは『母なる証明』で徹底的に息子を愛し続けるキム・ヘジャさんでした。目力と生命力、きれいもきたないも全部ひっくるめて人間そのものを演じていて、圧倒されました。

  9. ひとことコメント
  10. 昨年よりは本数は増えたのですが、特集上映のものが多かったので新作はそれほどではありませんでした。ただ、特集上映でずっと見たかったカネフスキーの二作品を堪能できたり、劇場で見たら『ミツバチのささやき』が家で見るのとまったく違っていて、一つひとつの音に息を呑んだりしたので、来年もどんな特集がされるのか楽しみにしつつ新作もチェックしていきたいです。

    今年は伊藤さんの姿を拝見することができて、実在することが確認できたことも良かったです。この前のチラシは受け取れなかったのでどんな内容かと思っていたら本を出すそうで、わーわーと興奮しています。おはなしも好きなので、あのおんなのこのこともまた書いてください。

    ぎりぎり間に合った!