メレンゲ 5th Anniversary ワンマンライブ「アルカディア」

もう恒例のように開演ギリギリに原宿。チケット譲ってくださいと出している人がいて、いよいよメレンゲも人気者に……と思って後で調べてみたところ、体育館の方で福山さんがやっていたのでそちらだったようです。
一階も全席指定のワンマンで、おまけにリクエストを集計して10位までのものを必ず演奏するというスペシャル感満載!だったので過剰に期待し過ぎた面もありました。がめつくて申し訳ないです、なぜならAXでドリンク代のかかるライブが久しぶりで、チケ代も4500円だったので実質5000円、特別な仕掛けがあるのではないかと妄想をふくらませすぎました。


服装はきっちり感を出すためかメンバーが白シャツ、サポートが黒シャツで統一。二階席だったので一階がどんな感じだったのかはよくわからないのですが、ステージ上のメレンゲは気負いはあるもののいつものメレンゲ、バンドとしてのメレンゲでした。
鍵盤は皆川さんではなく小林さんだったからか、キラキラ要素はわりと控えめで、AXだから照明も結構凝っていたり、もしかするとバックスクリーンに何か映し出すのかと思いきやそれほど過剰なものではなく、あくまでもバンドサウンドとしてありのままを見せているようでした。
ベスト10のうち上位三つが未発表で、「東京」と「チーコ」と「タイムマシンについて」が聞ければ良いなと思っていたら三つとも演奏されて、それだけで満足だったのですが、一位が「すみか」だったのは意外でした。改めて聞いてみて、最初に聞いた時に「みか」という女の人に捧げる歌なのかと思ったことを思い出したりもしました。
座っているので落ち着いて見られる分、他のお客さんの様子も目に入ってくるため、すぐ近くにいたお兄さんが一曲目からカクカク揺れて壮大に船をこぎ出すところまで意識が向いてしまいました。連れてこられたのかな、と思っていたら中盤起きだして立ちだしてノリノリだったので、睡眠不足をおしてまで来たかった方なのでしょう。
連絡先を交換してもそれだけで終わる人が多い中、この人だけは付き合いが長い、あるいはこの人ぐらいしかいない、というような紹介で出てきたのがフジの志村さん。まったく考えてもみなかったのであわわあわわとなりながら、久しぶりに聞けた志村さんの歌は「ソト」でした。MCでは二人が同じマンションに住んでいたり機材の高さについて自慢し合っていたりと仲良しアピールがものすごかったです。でも志村さんの歌う「ソト」もあれはあれでねっとりとした声が違う印象を与えてくれました。結構声も出ていてハラハラしなかったです。
クボさん自体も気合いが入っているためか、非常に声が出ていました。特に最後の「すみか」から「ユキノミチ」にかけてはギリギリの声のところでも力強さがあり、発するのがつらいという要素とは別のつらさ、せつなさがきちんと伝わってきて、ていねいに大切に一曲一曲を演奏して歌っているのだと感じました。

ものすごい特別な演出があるわけではなかったのでシビアな目線で見たらチケ代高い、と言ってしまうのですが、私にとってメレンゲはたくさんのイメージを増幅させてくれる、あるいは植え付けてくれるなくてはならない存在なので、そのライブをじっくりと見られるのはありがたかったです。ただわがままを言えばストリングスとかを入れてこれでもかという具合に世界を広げる音楽も聞いてみたかったです。
もしかしたらここで終わってしまうのではないか、という不安はライブが始まってみたらすぐに吹き飛んでしまい、これからのことも発表されて一安心しました。
記憶がおぼろげなので、ライブとはあまり関係のないメモが多くなってしまいましたが、とにかくクボさんの声がよく出ていてよく響いて、脳内にイメージがわいてくることはなくしっかりと焼きつけることができたことだけは確実です。