LIQUIDROOM 5th ANNIVERSARY

ぎゅうぎゅうの時間で追い詰められ自分の中の優先順位が入れ替わって、チェルシーホテルに気を持っていかれつつ無事恵比寿まで。開演間近に到着したら見事にフロアはゆるゆる、スペースを大分つぶしていましたが結構な余裕がありました。
ライブにて初披露されたブギーバックについて厳しめなことを書いてしまいましたが、それぞれを好きな故です、愛ゆえです、とあらかじめ断っておきます。


THE HEAVYMANNERS
前知識なしだったのでどんな人たちなのかわからなかったのですが、ステージにいたのは三人、マイクがないままで演奏が始まりました。オープニングアクトには音的に重いかなという印象もちょっとあったのですが、割とすんなり入り込めたのでとっつきやすいものなのかもしれません。
一音一音で踏み込んで沈み込んで、これは確かレゲエとかで聞くダブという種類だったような……と、あやふやに思ったりしたのですが、紹介欄にちゃんとダブと書いてあったので一安心しました。ゆったりと沈み込むんでくねるようなベースが入ってくる、と、最初はベース音が大きいのにぼわぼわしていてあいまいになって曲の中でくっきりしていないように感じたのに、次第に慣れていったのかあまり気にならなくなっていました。MCは一切はさまず音だけで暗い景色を見せてくれて、それなのにずぶずぶと底なし沼へはまるような感覚がないのが不思議でした。もうちょっと深い時間にまどろみながら見たら、たいへんなことになっていたかもしれません。


bonobos
ちゃんと意識していなかったので、ギターに小暮さんがいることを知っていまさらながらびっくりしたボノボライジングサンでチラッと見て以来。やわらかさとかたさが共存しているようなステージで、軽いのから重いのまで、ワンマンでもないのにしっかりと見せてくれました。「THANK YOU FOR THE MUSIC」を聞いていたらあれこれ思うところもあり、私は音楽がなくても生活していくことはできるけれど、音楽がないと何かを生み出すことはできないし、音楽があることによってたくさんのイメージを与えてもらっているのだなあと改めて感じてひとり、しんみりしてしまいました。
配信限定シングルの予定もある、とのことでそのシングルの音は今までよりちょっと良いと説明していたのですが、違いを「サイヤ人」と「スーパーサイヤ人」と言っていてとてもわかりやすかったです。


TOKYO No.1 SOUL SET
「Change My Mind」から始まって割と影を感じさせ、最近の明るめモードとは違っていたので、お、とうれしくなり、それからごく最近の曲もさしはさまれて違和感はさほどありませんでした。MCは相変わらずぐっだぐだ。マイアイドルと言っても過言ではない笹沼さんはパーマをかけたのか髪がくしゃくしゃぎみで、最初から薄着でベースを弾きまくっていました。三人だけだったらどうしようかと心配していたので、無事あの音を聞けただけで大満足です。そしてビッケのやる気がまるでないメンバー紹介にて、久しぶりに「ベース、ハナちゃん」と聞けたのも良かったです。ちなみにラストのちゃんとしたメンバー紹介では「笹沼」と呼ばれていました。
ぐっだぐだの中呼び込まれたのがHALCALIで、二人が入ってもぐっだぐだ。収拾しようとする人が誰もいないので、どうなるのかとヒヤヒヤしてしまいました。そしてライブで初めて聞いた「今夜はブギー・バック」は、CMバージョンでも「うーん」な状態だったのが生演奏で見たら余計「う、うーん……」と言ってしまうようなもので、これは発売して良いものなのだろうかとまで思ってしまいました。完全に好みの問題な上、単に私がスチャ×永積さんのブギーバックも含めて聞きすぎて食傷気味になっているせいなのもあるのですが、ライブで見て首を傾げてしまうなんて! CMだとギターの歯切れの良い音が入ってきてハルカリの声とも合っているため気にならなかったのですが、ライブとなるとギターの音が他とバランスを取るためか鳴りをひそめていて、せっかく聞こえてきた笹沼さんのベース音と二人の歌声もなんだか合わない。それぞれを見ればちゃんとしていて、音だけを聞いたらさほど違和感がないのかもしれませんが、そこに入ってくるハルカリの歌声がどうにもちぐはぐに感じられてしまって、途中で入る俊美さんのコーラスも違和感ばかり、ビッケに至っては完全に自由なおじさんとなっていました。ナタリーワイズとやったときは雰囲気も含めばっちり合っていたのにな……。
CMが好評だったから音源化したのに、もともとのCMでもしっくりこなかった私としては、これでソウルセットがある程度売れてくれれば良いという認識になってしまいました。改めて音源だけで聞くとそれほどおかしな感じはしないので、昨日は初披露ということもありバランスがうまくいかなかった、と思い込むことにします。スチャ×永積さんだとスムースラップバージョンなので、ラップがないこちらは原曲からずいぶんと変わっていることもあり、しばらくしたら受け入れられるようになっているかもしれません。ということで、年末のライブぐらい時間が空いていれば大丈夫そうです。
そしてこのぐっだぐだで押したせいか、最後はたたみかけて終わるのかと思いきやアンコールでやるはずだった 「Sunday」一曲のみで終わり、アンコールはさせず客電もすぐにつくという、消化不良の結果に。ライブ後にブギーバック購入者のための握手会が予定されていたので時間的に余裕がなかったみたいなのですが、おっさん三人の握手会は楽しそうであるものの、それなら曲を演奏してもらいたかったです。