『しんぼる』*2

予告編から、もっと無茶していたような印象を受けたのですが、思っていたより本編はちゃんとしていました。あまり内容には触れませんが閉じます。でも閉じる前に壮大なネタバレをします。クリック証券のCMをやっていたのはこの作品の協賛会社だったからなのと、字幕監修がなんとチャドでした! あともうひとつ、静かなシーンが多めなので、お腹がすいている時には注意が必要です。


タイトルから連想するようにイメージ的というか示唆的な要素が強く、いくらでも現実と付き合わせられるようになっていました。閉じ込められた空間の中で試行錯誤していくところは自分も一緒になって手に汗握ったり、本当にくだらないことでも笑ってしまうような時を思い出したり、そういう状況で段々と追い詰められてくるっていくものなのかと思っていました。それが少し進んだところへ状況が転がり、さらに転がってラストへと展開していくわけなのですが、最初のシチュエーションで一番気になってしまったことがあって、それに対して触れられていなかったのは、あえて意識する必要性がなかったからなのでしょうか。人間にとって大切な行為である排泄、つまりトイレがなかったこと。食べ物は出てくるのですがトイレはないままだったので、出口と思われるドアの先にあるのがトイレかと勘違いしていました。
途中までは神様的視点なのかなと感じていたのに、終盤は全能感を覚えてから産まれるという行為を示唆しているのかなと思うところもあって、調べてみると両方の見方があるようでした。このように様々な見方ができるようになっていて、評価も今まで以上に割れそうですが、くすっとした笑いでも私は好きでした。ただ、お金をかけているとはいえ実験的な要素が多かったので、レイト向きの作品だったという感はいなめません。