RISING SUN ROCK FESTIVAL 2009 2nd day

*行く前の予定*
ザ50回転ズ or 大橋トリオ or →Pia-no-jaC←→のあのわ→SAKEROCK or エマーソン北村小泉今日子 or YOUR SONG IS GOOD or 奥田民生ひとりポックル(ここらへんの流れが難しい!)→CLUBKING ART SCHOOL→UNICORN or 吾妻光良 & The Swinging Boppers with 松竹谷 清 or サカナクション(ここが一番の悩みどころ)→グッドラックヘイワThe SunPaulo→CLUBKING ART SCHOOL→適度にLOOPA NIGHT→東京スカパラダイスオーケストラ(入れたら) or DJやついいちろうサイン会→te’キセルTHE BEACHESthe pillows













ハナレグミがやはりシークレットでやっていたという話を聞いて歯噛みする朝から二日目はスタートしました。


一番居心地の良い温泉を見つけられたので、来年以降もチケットが取れたらここにしようとアイスクリームをほおばりつつ日焼け止めをぬりぬり。テントに帰って夜のために仮眠し、目ざましなしでも無事起きられて、一発目に聞こえてきたのが五十回転ズによる雨上がりの夜空に! これだけで満足したのでビークル横目にボヘミアン行ってきました。何も縛られるものがないって素晴らしい。

ボヘミアンは昨年と位置というか向きが変わっていて、上の方にひらひらと舞っていた薄い布の装飾もなくなっていて、どういう趣向なのかチープな電飾がありました。人がわんさかの中始まったピアノジャックは、格好良い! やっぱり生で見ると迫力があってダイナミックでした。こういう圧巻の演奏を見せられると動くどころではないのですが、お客さんの熱気がこもった手拍子がすごくて、思っていた以上の盛り上がりでした。パフォーマンスを含め笑いの要素もあって人なつこくもあり、テンポがどれだけはやくてものせられてしまいました。演奏が上手とかそういうところよりどれだけ楽しませるか、のせられるかという面に重きを置いているようで、きちんとしたエンターテイメントショーでした。言葉が必要ないため、海外でも受け入れられるのがよくわかりました。興奮がさめやらずトップバッターなのにアンコール!


遠出はできないのでアースやクリスタルは諦め、サケをカニチャーハン食べながらのんびり。このゆるやかな時間の贅沢……と揺れながらも、雨がほとんど降っていなかったためレッド周辺は砂が舞うようになってきました。砂、人、人、人、砂、と、この頃から民族大移動バリの人の流れができていて、これはたぶん民生さんソロだろうと思っていたのですが、どうやら小泉さんのところでとどまっているようでした。客層が幅広く、どれだけアイドルとして受け入れられているのかがよくわかりました。
大歓声の中迎えられたキョン姉さんはわかっていらっしゃるのか、「渚のはいから人魚」や「あなたに会えてよかった」など誰もがわかる名曲を披露してくれたのですが、その間にさりげなく新しめの曲を入れてくれたのでまさかと思っていたら、聞きたかったイノセントラブ! この曲に関してはソウルセットよりキョン姉さんのバージョンの方が好きなので、歌唱力がどうということとは関係なく女の人らしさを感じさせる声が聞けて大満足でした。さらには移動し始めたところで「学園天国」、誰もがノリノリなのが面白かったです。

民生さんソロは思っていたほど混雑はしていなくて、後ろの方で座って聞いていたら心地よすぎてうとうと。そういえば何年か前のライジングで向井さんがお客さんをステージに上げて歌わせていて、そこで女の子がリクエストしていた「ばらの花」を聞いたのだったなあ……と思い出しつつまどろみの空間へ。

元気を取り戻して大移動を開始し、シオンさんやビギンを通りがかりに聞きながらクリスタルパレスまで。まだ余裕があったので怒髪天のスタートを確認していちごけずりを買っていたら、クラブキングがスタートしていました。ありがたいことにエレキがトップバッターだったので無事見ることができました。途中からだったのですが、稲川さんの話をしていました。ああ、久しぶりの生エレキ、生トーク! さらに話のつながりでエロ川淳二の映像ネタで、あとはこれまた久しぶりのバカレコ。時間の関係で他の映像ネタはカットになったらしいのですが、夜にやる内容も別らしいのでわくわくします。それに加えてタワレコブースでDJをやると言っていたのですが、これはサイン会以外にやってくれるってこと? とちょっと期待。

そんなこんなで次はサカナクション! ユニコーンはライブを見ないまま一生を過ごしても仕方がないとふんぎりをつけました。でもムーンへ行く手前、少しでも吾妻さんを見たいと思ってレッドで立ち止まってしまいました。よいどれおじさんたちを見たい、あの哀愁を感じたい、でも同年代の人たちの今も見たい……と迷っているうちにスタート。ステージの並びを見るだけでも壮観で、音の厚さ、重さが半端なかったです。格好もしっかりしていて、レッドによく似合う。どうしよう格好良い、びりびりくる、しびれる、でも、でもムーンへ行かなくちゃ。

迷った末のサカナクションは地元ならではの特別感はそれほどでもなかったのですが、夜になる過程に野外で彼らを見られてぐらぐらくるものがありました。ステージと空とを何度も見比べて、暮れて夜が侵食していく様をしっかりと見届けました。晴れてたらもっと空の演出が映えたのに。一つだけものすごく残念だったのは「minnanouta」の声のサンプリングが流れるとき、明らかにロッキンオンジャパンフェスと言っていてズコーとなりました。いくらなんでもそこ使いまわしって!(後日のライブで、設定か何かの間違いだったという可能性が高いとわかりましたが、あの時の戸惑いは消えません)
新曲はまだピンときませんでしたが歌謡曲の色が強い印象がありました。選曲は古いものも多めだったのですが、一番ぐらっときたのはイントロで拍手が上がっていた「ネイティブダンサー」でした。少しずつ熱を帯びていく様がムーンの無機質さ、暮れた空、肌寒くなってきた空気とおり混ざって、雪の中で聞いてみたくなるぐらい、頭の中で別の情景が展開していきました。

サカナが終わってからレッドを通ったら吾妻さんはもう終わっていて、しかも後でセットリストを見てみたらアンコールをやったらしい、しかもそのアンコールでやった曲というのが「福田さんはかっこいい」らしく、もう! と地団駄踏みました。上着を持ってクリスタルパレスへ行くと、密閉された空間なのでここだけ温度が高いままでした。やっと見られたグットラックヘイワはかわいらしい感じでドラムがしゃきしゃきしていて軽快でした。伊藤さんの口笛ものんきな感じがよく出ていて、野村さんは野村さんでマイペースで、マリオのキノピオのことを1UPキノコと混同していて面白かったです。仲間を食って大きくなるマリオ、すごい。遠かったので実際にいじっていたのかサンプリングしたものを使っていたのかはわからなかったのですが、DSの、「KORG DS-10」を使った曲も披露していました。風との相性も良さそうなので、今度は野外でも聞いてみたいです。

クラブキング二回目もエレキがトップバッターで、暗くない?とお客さんにふられても「あかるいよ!」ときっちり返していました。もう二度と聞くことはないだろうと思っていただけにお得感がありました。映像はエレ片からのもので、ボツになったと言っていたものが氏神さんと仲良くなろうと三人で氏神さんをいじっている内容でした。片桐さんは来ないよ、と言ったら「えー」という反応があったのも印象的。
トークもそこそこにそれで終わりとなったらえー!と反応があったのでおまけで夕方とは別のバカレコ。結局コントをやったりしなかったのですがお客さんの反応がかなり良かったので、これがいくばくかの人気につながれば良いのにとえらそうなことを思ったりしました。こうなるとやはりブラックホール復活を願ってしまうわけです。
二部(スクリーンでは二時間目と表記)は宮沢章夫さんによる赤塚さん論。普段早稲田の授業で教えているものをぎゅっとまとめた内容だったのですが、これが大変興味深かったです。ファンが送ってきた絵を使った話など、当時どれだけ挑戦的なことをしていたのか、きちんとバカボンを読んでみたくなりました。解説を聞くと余計興味が出てきて、宮沢さんの授業にももぐりたくなってきました。
三部はしりあがりさんを招いて、ライジングサンに最も詳しいという体の彼に出演者を描いてもらおうという企画。宮沢さんがお題を出してしりあがりさんが知ったかぶりで描いていくのでくだらないのもあり面白かったです。生で描いていくところをスクリーンに映すのでどきどきしました。最後にミドリの後藤さんがゲストに来て、ジャンケンで先ほど描いた絵をプレゼントという大盤振る舞い。適当だからこそ良かったのですが、あそこだけで終わってしまうのがもったいなかったです。(おもしろかったのは確かなのに今覚えているのが少ししかないという事実。セカイイチは最初は男の人だけだったのに最終的には子どもが出てきて、うちの子どもはセカイイチという話になっていました。スガシカオもシカオで途中せんとくんのようになっていたような記憶があります)
ぷらぷら歩いてグリーン脇にあるタワレコスペースまで。DJやついタイム、でも人はまばら。スタートしても人の集まりは二百人もいかなかったかもしれませんが、音が大きさも質も非常によろしくなかったので届きにくかったのかもしれません。プレイは20分ほどだったのにもかかわらず盛り上がりは結構なもので、やっつんの指導に従ってフリをやったりしていました。ホルモンの曲がかかった時には「しょうがないしょうがない」を連呼。アンコールでチョコレートディスコを完全に踊っていたらしいのですが、ステージがあるわけではないので見えませんでした。それより残念だったのはノースリーブを聞けなかったことです。

そのまますぐ横のグリーン、ロストをおそるおそる見ると聞き覚えのある曲、「約束」。海北さんの歌声はやはりきれいでよく響きました。がなったりやけくそになったりすることはなく丹念に演奏をしていて、弾き語りを聞きたくなりました。ここで初めて牧草ロールに乗ったのですが、適度にやわらかくてすこぶる快適でした。高さもあるのでステージがよく見え、引き上げてくれた女の子たちに感謝です。
少し疲れも取れたのでムーンで卓球タイム。好みの音がつながっていくので去り時を失ってしまって気づいたら終わっていました。そのためte’は終盤だけで、最初から時間をかけて盛り上がっていく様を見られなかったが残念でした。多少の眠気と戦いつつ、静と動が入り混じった感じの曲が格好よかったです。そして初キセルは、起きていられる自信がありませんでした。

レッド自体が押しているのかサウンドチェックに時間がかかったからなのかはわかりませんが、待っている間にうとうとしていて夢うつつのまま始まったキセルは意識をふつふつと切らせてしまうぐらいやわらかな世界でした。寝ても良いですよというようなありがたいお言葉をいただいたので、かなり朦朧とした状態で曲を聞いていました。ふわふわ浮かんでも夢見がちでは終わらせない言葉が耳に残っているのですが、それが幻聴かどうかは後日わかることでしょう。
最後まで聞いたら熟睡してしまう、と立ち上がってカフェラテを飲み、ボヘミアンへ歩いていると番組のインタビューなのかJxJxさんがいました。そのまま通り過ぎて、覚醒したいのでビーチズ!

ビーチズ、人は少なかったのですが昨年に負けず劣らずものすごい盛り上がりようで、動いていたら眠気もすっとんでいました。踊っている人がみんなしあわせそうで、何も考えずリズムにひたることができました。疲れなんてすっとばしてしっちゃかめっちゃか、あっはっはあっはっはとお酒がなくても酔えました。アンコールは一曲だけで、もう一曲やろうとしたところでNG。まだ寒いぐらいなのに熱気がかなりありました。曇っているので朝日はまだおがめませんが、大分明るくなっていました。フォレストでは霧が発生していて、テントスペースでは幻想的な風景がおがめました。

へとへとになりながら聞こえてきたのはピロウズライジングサンらしいトリでした。はっきり言ってしまえばトリらしくない、あるいは選曲がトリらしくないのかもしれませんが、それも含めてピロウズらしい、ライジングサンらしかったのかなという気がします。ごついお兄さん方がペロウズだよペロウズと言っているのを聞いたりしましたが、誰もが知っている曲があるわけではないし初めて聞いても盛り上がれるような曲があるわけでもないので全員に受け入れられる人たちではないのかもしれません。でも、「続ける」ということに関して20周年である彼らが11回目の地元のフェスのトリに出演するということには意味があるようにも思えて、雨が降らなかっただけでも祝福されているように見えました。
















今年は値上げ+通し券のみ+ものすごい大物がいないという状況だったので昨年と比べると明らかに人が少なかったです。ここ数年はチケが売り切れたりトイレパンク事件などがあったりとバブル期だったようなのですが、移動で人がつまるという経験もあまりなく、この人たちだけは絶対に見たいという出演者がそんなにいなかったせいなのか、とても過ごしやすかったです。こういうゆるさも売りの一つになるのではないかな、と思いつつ閑散としすぎたステージだとさみしい気持ちにもなりました。また、転換時間が長かったのですが、どうやらセットリストを見て回るとアンコールをやったアーティストがちょこちょこいたようで、こういった利点もあるようでした。私が見た中ではピアノジャックしかなかったので、お客さん側の盛り上がりにもかかってくるということなのでしょう。
ということで来年もまた、何とか都合をつけて行きたいです。のんびりしたい人には是非おすすめのフェスなので、今後とも大プッシュしていきたいです。


携帯で撮った画像はほとんどないのですが、今年は持って帰ってくるのを忘れてしまったゴミ袋。入口付近で無料で配布されるものなのですが、なんと今回はお米で出来ているらしく、くんくんとにおいをかいでみると本当にお米と言うか穀物のにおいがしました。