『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』*1

しばらく映画を見る余裕もなさそうなので、新年を迎えたお祝いに。九割方男の人でびっくりしました。
作品内容については全く触れずに思い出話です。

見終わった後の、脳が活発化しているあの感じを味わうのは久しぶりで、虚構世界を作り出してそこに完全に相手をのめりこませることの難しさなどを考えつつ、中二病なんてものではなく中二そのものに自分が戻ってしまったかのようでした。
「if もしも」でもう一つの選択肢、いくつもある枝の中の、別の展開を見ているようで、重なる部分を見てにやりとしたり違う設定を知って驚いたり、エヴァ自体の世界におけるもしもを見ているという面もありつつ、当時見ていた自分の感情も重ねつつ入り込んでいました。
子どもたちに自分を重ねながら見ていた中三の私と、大人たちの気持ちもよくわかるようになってしまっただけに一層頭の中がごちゃごちゃしてしまった今の私。わかりやすくなっているところに違和感があったり、過去の記憶を引きずり出して当時の感情と今の感情とを比べてどんよりしたり、時間が経っているからこそ深みや味わいが出来ていて、リアルタイムでエヴァという一連の作品を見ることができてしあわせなのだと感じました。それぞれに受け取り方が違うのはどんな作品でも当たり前のことですが、積み重ねがある分良くも悪くも響くものがありました。
数日前に8ミリビデオが見つかって私が幼稚園の頃の誕生会の映像が出てきた、と親から聞きました。記憶がその映像に塗り替えられてしまうのが怖くてまだ見られませんが、そこには私にとっての80年代が詰まっています。そしてエヴァは私にとっての90年代が凝縮されていて、それを00年代の終わりに見るということは感慨深くもあります。次はもう10年代、今の私に未来の私は何を重ねるのでしょうか。