「大安おばけナイター」

しわよせが来て来てライブ自体行けないかもと一時はあきらめかけましたが、希望を持って投げずにいたら間に合いました。虹が出ていたことさえ知らず、雨に降られながらも感謝したのは七時半開演。オープニングアクトJAWSさんでした。


アナログフィッシュ
今年初めてのアナログ。工場(こうば)のおじさんみたいな格好の下岡さんを見つつ、ちょっと声の調子が悪いかなと冷静さも持ち合わせながら、「夕暮れ」から始まった世界にぞくぞくしていました。あらためてアナログの音楽は私にとって必要だ、と思うことが多くて、頭の中で浮かぶいくつものイメージを遊ばせながら噛みしめていたのですが、「ヘイコウ」をやっと聞けた時に浮かんだことといえば、今までこの曲を聞かなかった自分への後悔でした。友人からすごいすごいということは聞いていたものの、いざ自分で体感してみると浮かぶ景色の流れること流れること! 「Living in the City」のようにスムーズに情景がシーンとして続いていくのですが、時折カチッと止まるところがあって、その止まるリズムさえ心地よい、でも描いている世界はすべてすっきりしているわけではないという矛盾さえいとおしく感じてしまうほど、くるっていても愛情に満ちた景色が浮かんできました。そちらに気を取られていたせいか、「Sayonara 90's」の歌詞を聞き流してしまう始末。
サポートの二人が抜けてキャプストの菊住さんが登場して演奏したのはCDでも叩いた「ほら」でした。キャプストで叩いている時にはそう感じなかったので、この曲に合わせた演奏スタイルだったのかもしれませんが、菊住さんのドラムがとても軽やかで、でもうわっつらの軽さではなく、跳ねて飛んでいくようなもので印象的でした。ビッツくんが重力のある叩き方をするのに対してこちらは下ではなく上に引っ張られていくような感じ。
念願の「ヘイコウ」を無事聞けて、そこから新しいイメージももらって、音源化が楽しみな上来月のライブにもたくさん行きたくなってしまいました。


キャプテンストライダム
ものすごく久しぶりのような気がするのですが、またライブで見たかったので満足です、が、大丈夫なのかなと心配してしまう面もありました。しょっぱなから盛り上げてくれて「キミトベ」も聞けてやったやったと思っていたのですが、最近の曲は手広い感じもあり、演奏がきっちりして密度の濃いものを聞かせてはくれるのですが、いろいろ大変なんだなという結論に至りました。トークは相変わらずゆるやかながらなごむもので、またフェスで見たい、踏ん張ってほしい、と願いをかけておきました。それとあのおどろおどろしいのに楽しい「おばけナイターのテーマ」を聞けたことも良かったです。

せっかくだからということでアンコールはアナログも呼び込んで、こういう楽しい時間がずっと続いてほしいというようなことを永友さんが言っていて、本編で「ペケペケ」をやったのでもしかすると「すばらしい日々」?と期待したのですが、流れてきたメロディはYUKIの「JOY」でした。意外。
キャプストの三人は楽しませる気満々で、その楽しさがこちらにも伝わってくるほどで、おみやげまでもらってしまって申し訳ないぐらいでした。気持ちはアナログに引きずられながらも、またこういった企画をやってほしいな、と思いながらおみくじを開けたら大吉、でも悪いのは入っていないのかもしれません。