久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ 「真夏の夜の悪夢」

真夏の夜の悪夢
紙様が届いて魔法がとけて現実世界へようこそ。新年一発目の朝は遅延による満員電車から。ものすごい混雑っぷりの中、映画『サイコ』のテーマ曲やら衝撃映像などと一緒に流れる「怒りの日」を聞いていて、もみくちゃにされる自分の姿を合わせると滑稽なことになっていたので含み笑いをしていたのですが、まさかこれが自分へのレクイエムになるとはその時、思ってもみませんでした。

語ると長くなるので羅列のみ。降りる人のいない駅。降りる自分。自分の位置は電車中央の中央。ドアまでの長い道のり。動く身体。残されるカバン。引っ張られるマフラー。はさまれる何か。途切れた音。降車。コードの先をたぐる視線。先にあったはずのクリップシャホー。呆然。満員の電車。再び戻っても「無駄」の二文字。呆然。閉まるドア。呆然。残されたイヤフォン。片方しかないイヤフォンのまわりのシリコンみたいなもの。最後のシリコンみたいなもの。呆然。そして頭の中を回り始める「怒りの日」。そんな新年一発目の朝。