やるせなくて肩を落としていたのですが、資料をあれこれと漁っていたら思わぬところで見たことのある顔を見つけて、「えー!」とびっくりして一瞬だけ現実のことを忘れることができました。自分としてもメモしておきたい内容だったので、こちらに転載しておきます。

 歌詞を考える時は、まず、頭の中にある映像を思い浮かべるんです。その映像には僕ともう1人の誰かがいて、2人のストーリーを歌詞にしていくパターンが多いかな。
 書く時は、映像の中の自分たちを、ちょっと離れたところから客観的に見ることを意識してますね。そうすると、一方的なメッセージではなくなると思うから。歌は多くの人が聴くわけで、答えは人それぞれだから、聴き手に押しつけるような言葉は書きたくない。断片的な言葉を押しつけるのではなく、自分が伝えたいことにつながるストーリーを描いて、それが多くの人の記憶とか想像とか思い出とかにリンクして、共感してもらえたらいいなと。

この前のMCで言っていた内容ともかぶっていて、なるほどーとうなずくことも多かったのですが、ここで誰だかわかった方には私が電車に置いてきたシャホーを差し上げたいと思います。再生した途端に『エクソシスト』の曲が流れ始めるのでわかりやすいです。


 僕の曲は恋愛をテーマにした歌詞が多いんだけど、普通に恋愛の言葉をいっぱい並べてもつまんないから、例えば『8月、落雷のストーリー』の「落雷」という言葉のように、恋愛とは関係ないキーワードを探すんです。全然関係ない2つのことを同じ時間軸でストーリー展開させていくと、自分にとって面白いものができ上がるんですよ。
 キーワードや、これだと思うフレーズが決まったら、それを際立たせるストーリーを考えていくんですけど。言葉って、ちょっと組み替えるだけで、メッセージの届き方が全く違って。結果、思っていた以上にものすごいものができることがある。言葉の力、日本語ってすごいなぁと思いますね。
 僕が日本語の歌詞にこだわるのは、英語の歌詞を聞いても自分に伝わってこないから。英語、苦手だし(笑)。日本語は、聞きながらそのまま伝わるところに力がある。だから僕は、難しい言葉じゃなくて、しゃべり言葉やみんなが知ってる言葉で、自分の世界を伝えていきたいと思うんです。

というわけでメレンゲのクボさんでした。どうしてここに載っているのかわからない、というような場所で紹介されていて笑ってしまいました。でも音楽雑誌だとやはり音中心の話が多いので、こういった言葉に関する話を知ることができて得した気分でした。だからと言ってシャホーは戻ってきませんけども!