島本理生「あなたの呼吸が止まるまで」

あなたの呼吸が止まるまで
島本さんの作品はどことなく陰鬱なところがあって、そのわだかまりを丁寧に描いているのでどんよりするところが好みに重なるかな、と思ってはいるのですが、そのどんよりのさじ加減が足りていないのか足りすぎているのか、首をかしげてしまいました。明確な結末がなくても良いとは思っているのですが、読み終わって「だから?」とたずねられた時に残っているものというのが今回は薄かったかな、という印象です。この重みがもっと深くなっていくには時間が必要なのかもしれないので、これから描かれる重石がどんな風に変わっていくのか、見ていきたいです。