朝倉かすみ「ほかに誰がいる」

ほかに誰がいる (幻冬舎文庫)
女の子同士の、いわゆる百合もの、ともとらえられる物語でしたが、少女が自分の中でだけ縛りを設けて、そこでがんじがらめになっていく、あの息苦しさにとてもリアルさがありました。倒錯していくけれどそれは突飛なものではなくて、女の子だからこそ、少女だからこそ純度を増していく狂気でした。