古川日出男「ボディ・アンド・ソウル」

ボディ・アンド・ソウル
読んだことがある、と既視感を覚えるところがいくつかあったので調べてみたのですが、この作品を以前読んだという記録はなくて、記憶が捏造したのか思考がひっぱられて過去のものとしてしまったのか、難しいです。内容の方はいつもの古川さんらしい文体で、読むという行為において必要になるのが一つの感覚ではないものでした。こまっしゃくれた会話だなーと思ったりして楽しみました。見た目においても書体を変えたり、脳内音声化したとしてもリズムがあるので乗っていて心地が良く、すべるように進んだり句点で切られたり、普通の小説かと思っていたら今回は本人のことについても書かれていたりして、ナンバーガール好きと知ってO-Nestにて向井さんとやっていたわけがようやくわかりました。ライブにおいてスタンディングの場合背の順になれば良いのに、というようなことが記されていて微笑ましかったです。
文字を読むだけではなく実際に音声化したものとして聞いてみたい、という欲もわいてきたので、またライブをやってもらいたいです。