最初にその名前を持ったのは小学校へ行く道すがらに拾ってきた猫だった。適度になついて適度に気まぐれ。祖母の具合が芳しくなくなっていたある日のこと、家の前の道で乗用車に轢かれてしまった。忘れもしない、十三日の金曜日だった。祖母は回復して、気まぐれな彼女は土に埋められた。そして何年後かに、彼女がその名を引き継ぐこととなった。