目白雑録 (朝日文庫 か 30-2)

目白雑録 (朝日文庫 か 30-2)

ちくっと刺される痛みをいくつも伴いながら、あまりの悪口っぷりに笑ってしまうことが多かったです。サイレント映画につく弁士さんについても、物珍しいからと私は新鮮な気持ちで見たのですが彼女からすると耳栓をしたくなるほどだったらしく、その他にも思い当たるところをぐさぐさと言い当てられてぐぐうと息を止められるところがありました。それでもついつい読んでしまうのは全体的に女の子らしさが漂っていて、悪口を叩いていても愛情が見えるからなのかもしれません。ちなみに噴出しそうになるのを抑えたのは、「声に出して読みたい日本語」の作者である斎藤孝さんを「ベストセラー『粗食のすすめ』の国語版というか、戸塚ヨットスクール国語ヴァージョンに相田みつをが入っているといった類の斎藤」と評したところでした。
新聞に連載されていてまだ続いているらしいので、続刊も読みたいです。