『フランドル』*1

明日は映画を千円で見られる一日なのですが、見られるかどうか怪しい上にユーロスペースの会員期限が四月までだったので急いで渋谷へ。人が盛りだくさんの中、開映ぎりぎりに到着したので見られなかったらどうしようかと思っていたのですが、客席は六割程度しか埋まっていなくてちょっと意外でした。予告編を見たら、これまた見たい作品ばかり紹介されて戦略に乗せられてしまいそうです。
主人公も寡黙、映画も寡黙。多くを語ることなく、核心を上手いことそらされて考えさせられて、それでも現実と人間の持つ罪を目の前につきつけられて、静と動を行ったり来たりする世界を多くの感情で補っていくことしかできませんでした。語られないからこそ混乱して、翻弄されて、誇張する。解釈の幅が広いからこそカンヌでも賞を獲ったのでしょう。