『星影のワルツ』*3

フライヤーを初めて見た時から気になっていて、できれば大きな画面で見たかったので来週からライズXになってしまうこともあり、脳内にいたツアコンさんに案内してもらって非常に助かりました。目がスクリーンを欲していたためか、トークショーで割愛された、予告編で目を慣らすという準備運動がなくて少しばかり残念な気もしました。トーク自体は配給会社の方と浅野さんと監督の三人で進められて、頑張って喋る浅野さんが見られて得しました。今さらなのかもしれませんが、最近撮影した映画の話で青山監督作品に出演していることを知って、それがさらに『Helpless』の続編だということを知って俄然興味がわいてきました。
作品の方はというと、ドキュメンタリーのような質感、とドラマ。スタッフロールを見ていたら脚本に西川美和さんが関わっていたようなのですが、大きな展開があるということはなく点々と情景が繋がっていくようなもので、全体的に朴訥で不器用なイメージがありました。演技が自然、と言われていたものの最初の方は妙な違和感がつきまとっていて、なかなか入り込めなかったのですが、喜味こいしさんにぐいぐいひきつけられてしまって、振る舞いの一つひとつにのめりこんでしまいそうになりました。年齢を重ねた上での深い味わい、自分の中にだけ抱え込むもの、そして同居する頑固さと柔軟さ。監督と重なる青年役の山口信人さんのことも気になりましたが、やはりこいしさんのスリーピースのスーツに帽子という姿にはくらくらしてしまいました。淡々と続いていく物語、流れはとても静かで穏やかでした。