ぜつぼう

ぜつぼう

本谷さんの世界は鬱屈した女の人のどろどろとした部分を描いていて、苛立ちが伝わってきてはらはらしたり突き放したくなったり共感したりするのですが、この作品でも言わゆる「一発屋」と呼ばれてしまう人のその後が軸となっていて、現実として誰かの内面に起こっていることを記しているかのようで想像をめぐらしては感情も揺れ動かされました。なんだかんだあって、余韻を残すところにはついついニヒルな笑い。