犬のしっぽを撫でながら

犬のしっぽを撫でながら

「犬」
色々なところに掲載されたエッセイをまとめたものなので、文体が少しずつ違うのが面白かったです。それでも小川洋子さんの持つ芯の強さはどれもぶれずにいて、作品や文に対する凛とした姿勢が簡単に思い浮かびました。何かをなくす、あるいはなくしていくことの多い彼女の作品は奥底にうごめく気持ち悪いものまで描いているので目が離せません。