デラデラ☆ナイト

ああ昨日と時間が交換できたらなあ、と睡眠不足の身体でふらふらと歌舞伎町へ。Motionは初めてだったのですが、ビルの中にあって本当に小さな箱で、ステージが低く音も後ろの方にいたとしてもぐわんぐわん響いてきました。朦朧として意識があっちへ行ったりこっちへ行ったりしたので、覚書はほんの少しだけにします。


even
英詞に切なさを含んだ声でもって切り込んでくる音、と言うとまあそういう系なのだな、と思ってしまいますが、鍵盤の音が足されることで上手いことポップさが醸し出されているようでした。少ししか聞けなかったもののお客さんがたくさん入っていたところから推測すると、人気があるのかもしれません。


8m
こういうのをシューゲイザーっぽいと言うのなあと考えながら、ギターをメインにして展開していくインストサウンドをふんふんと頷いては耳を傾けました。静かに熱くて、ぴったりの表現を探していたら「ドライアイス」という単語に行き着きました。まだ若いなあと感じる部分もありましたが、密かにひねくれたところが良かったです。こういう世界の音に慣れてしまったせいか睡眠不足のせいか、どれだけ大きな音の奔流に飲み込まれても心地良いと感じてしまって途中夢の世界へと旅立ってしまいそうでした。


People In The Box
今回のイベントのお客さんは男の人が多くて、ステージが低いためまったく演奏している姿が見えないことがままあったのですが、彼らの時は女の人の割合が少し多かったので、ははあなるほどと観察することができました。適度にポップでロックな音にのせられたのは太いのではなくてちょっと厚みのある声で、歌詞も聞き取ろうと思ったのですが、半分夢が頭を支配しはじめていたので抗うのに必死となって大変な状況に陥ってしまいました。


pegmap
歌い上げるというよりも叫んでいるようで、飄々としていても内面の熱さを感じさせるような演奏でした。曲に強いメッセージが込められていて、それを歌っているのに内容とは別の部分に主張が含まれているような、層がありそうなイメージ。でも申し訳ないことに夢うつつだったので正気で聞いたらまた違った印象を受けるかもしれません。


シェリーズ
見るたびに好きになってしまいそうだ、という予感が増えてしまうシェリーズ。今回のイベントは先月のライブのことがあって招待していただいたのですが、前田さんの調子がやはり芳しくないせいか「四曲だけやります」とnakamuさんが宣言して始まりました。そのせいかドラムから伝わってくる音が感覚としてとても重く、リズムが刻まれるたびに胸が痛くなってしまいそうでした。鬼気迫るような演奏とでも言うのか、MCとは裏腹に三人の演奏には優しさをあえて排除した上でのピリッとした空気がただよっているようで、このひねくれ具合好きだなあ、女の子バンドということで妙に持ち上げられて鋭さを失って欲しくないなあ、と今回も凛とした歌声で叫ぶnakamuさんを隙間からちらっと覗き見していました。曲数は少なかったけれど、集中したものを見ることができて、まんまと彼女たちを応援したくなってしまいました。

雨が降るという予報は当たったのだろうか、とMotionのあるビルを出てまず目に入ってきたのは月、折りたたみ傘はなくて良かったのかもしれないと白い機体を操作して「夕暮れサイケビート」を再生して、全然音が足りない、生の感情が足りないと先ほどまでの余韻を引っ張って記憶と重ねました。