patrol(パトロール)〜東・阪・福・札 警ら Vol.2〜

毎回地元福岡の対バンが豪華で、前回がスチャダラ、今回がZOOT16でもし次回あったとしてそれがスライマングースソウルセットだったりしたらとち狂って行ってしまうかもしれない、というぐらいだったので、UNITへは出かけるのが億劫になったり、アナログの方応募してみたら良かったかなあ、どうせなら来週の緑川さんも出るロフトのイベントに行った方が良かったかなあ、とあまり乗り気ではありませんでした。
がしかし、終わってみたらANAありがとう、こんなイベント企画してくれてありがとうとしか言いようがない状態になっていました。


group_inou
オープニングアクトということで演奏時間は三十分ぐらいと短いものでしたが、前回スペシャのイベントではほんのさわり程度しか見られなかったので、じっくり味わうことができました。一度見て耐性がついていたせいなのか、意外にすんなりと音が溶け込んできました。全身を使って吐き捨てるような叫びのようなラップのようなもの、と、電子音が入ってポップさも持ち合わせる機材もろもろの音。おもしろいなあ、お口さんと対バンしたらもっとおもしろいだろうけれどもう+1バンド入れるとしたら何が良いだろうか、と考えて一人わくわくしてしまいました。cpさんがサケの伊藤さんとそっくりと自分でも言っていて、実際に会場に来ていたらしい伊藤さんはこれからサケのライブということで行ってしまったようですが、目を凝らして似ているのかなあと考えたものの眼鏡で遠目だとよくわからなかったです。
彼らもアクが強いので好き嫌いが極端に分かれそうですが、一度聞いて微妙かなと思っても再びチャレンジすると違った見方ができるかもしれないので、じわじわとその変化を楽しんでもらいたいです、自分にも。


FORCE OF NATURE
あ、わ、えー、あー、うん、え、うん、あ、ああ、ああ! と感嘆音ばかりが出てしまったのは致し方ありません。ステージの上には横長テーブル、そこに並ぶは二人のDJ、まるで職人のように音をつなげていく姿に、数少ない記憶の中からソウルセットの川辺さんが重なりました。有名であってもその方面にまったく明るくなかったので、彼らの音を聞くのは初めてでどのようなものなのか全然知らなかったのですが、これがもう、じわじわと浸透してきてゆっくりと体温が上がってきて汗がにじんできて、思いがけず揺らめかされてしまいました。一瞬で「ものすごく好き!」と思えるタイプの音ではなく、ゆがんだり引かれたり足されたりしていくうちに渦の中に飲み込まれてしまって、あれ、これってもしかして好きなのではないか、でもそんなことはさておいてとりあえず音に揺れようよ、というようなものでした。オールイベントがあったら行きたいなあ、お酒をもっと染み込ませてきいたらぐらぐらきてしまうだろうなあ、とつなげられていく音とともに気持ちも繋がってしまいました。
どんなジャンルの音なのかと言われたら難しいのですが、2DJということでお口さんと比べてみると、お口さんの方がきらきらとした電子音を散りばめて上の方に遊びを持ってきているのに対して、彼らはベースラインなど下の方の音に重点を置いているようなイメージがありました。渋くてぞくぞくして、適度に電子音も入って、それなのにステージ上の二人は淡々と曲をかけているものだから、ああーもっとお客さんがたくさん揺れている中でのライブを見てみたい、と今後のことまで考えてしまいました。
そして帰り道、もらったフライヤーを見ていて知ったのですが、川辺さんが主催のDUBMOSPHEREにて回しているらしく、「あー」と思わず声をもらしてしまいました。さらに先ほど調べてみたら、昨年開催された彼らのリリースパーティーSLY MONGOOSEが出ていたと知って「あー」と脱力、出会いは必然だったようです。その時のイベントの出演者の欄に「FORCE OF NATURE feat.笹沼位吉 (SLY MONGOOSE),Cutsigh (Audio Active),Koji Iwamoto」とあって、生で見られなかったことが非常に、非常に悔しいです。だって笹沼さん!


ANA
FORCE OF NATURE呼んでくれてありがとうという気持ちを込めて、ぴょんぴょん跳ねる女の子たちを見ながら素直に楽しむことができました。三人のメンバー+専属カメラマンさん、特に今回カメラマンさんは全身黒でカメラを構えながらも背中に機材を背負っているのか武器らしきものをくっつけているのか、ちょっと違ったいでたちだったのでまじまじと見つめてしまいました。
新譜からの曲も演奏されながら、今回はちょっと違うよと言って何が始まるのかと思ったら、「血湧き肉踊る」で後方スクリーンに映像が! ゲームのような幾何学的な模様があったり、Rezのように骨格のみで構成されるものがあったり、無機質なものが次々と映し出され、後にはその場で演奏している本人たちの映像が映し出されたりしておもしろかったです。個人的に理想としているライブ形態になっていたので、音+映像の組み合わせは良かったです。盛り上がる曲もあったり久しぶりに聞くことができたものもあったり、NOMAさんが大人気だったりして、私の中で大人気の専属カメラマンさんが中央に来て大久保さんにカメラを向けた時は、銃を向けられて大久保さんがサンプラーをいじらされているような光景になっていたので、うなってしまいそうでした。


行く前と後とでは気持ちがまったく変わっていて、ああ行って良かったなあ、と単純に思えました。今年は単独ライブをやるということらしいですが、是非イベントも続けていってもらいたいです。