four colour me pop?

行くつもりはなくて、ピグミーは3月の自主企画で見ようと思っていたのですが、前日三次会まで出なかったことに加えてもう一組追加されたPのつくバンド名に食らいついてしまって、半日ひたすらだらだらした後、まだ非日常の世界から抜け出せない頭を携えて下北へと向かいました。Pのつくバンド四組、それぞれ違う展開がありました。


PLEGLICO
全体的に垢抜けきれていない印象がありながら、そこが魅力でもありました。ベースが女の子の四人バンドで、声はやわらかでやさしげな感じ。好きなアーティストを斜に構えることなく言う強さを持っていて、なんだかほほえましくなってしまいました。おもしろいギターの音を使っていたのも記憶に残っています。


ponytail
ひょろっとした眼鏡ボーカルだったのでさわやかな声かな、と想像していたらちょっと癖のあるもので、ドラムが女の子なのも気にならない上になぜだかベースの音がよく響いてきました。


pygmy with bitter ends
やっと生で聞けた! と興奮する内面はさておいて、ボーカルをぐるりと囲むようにしてステージの立ち位置が決まっているのか、中心にぎゅっと集められるエネルギーのようなものを感じました。トランペット他オールマイティーな女の人以外はみんな帽子をかぶっていて、それぞれに良い具合に大人オーラが出ていたので興味津々。想像通り音は音源で聞くよりも厚く、演奏された曲は持っている音源にはありませんでしたが聞いているだけでわくわくするようなものがいくつもありました。リズムがおもしろくて、でも目新しさだけではなくしっかりと支えられて紡がれていくので安心して聞いていられる、楽器の音とそれらと上手く調和していく声が心地良いものでした。わがままを言ってしまうと、昨年のぐるぐるソングである「イップイック」を生で聞きたかったです。


PaperBagLunchbox
この組み合わせは卑怯だ、と思いながらもまんまと戦略にはまってしまいました。彼らに関して、今がどんどん変貌していく時期なのではないか、と勝手に思っているので出来るだけその情景を記しておこうと思っています。そのため自分用メモの役割も果たすのでわけのわからないイメージが増えていくかもしれません。どうしてそんなに記しておきたいのかと言うと、今回は新曲ばかりのライブだったからでした。
一曲目は、音に対して載せられる言葉がまだ上手いこと馴染んでいないような、うわすべりのような印象を受けてしまいました。初めて披露するものなので中野さんも緊張していたようですが、ハラハラしながらも少しずつ、じわじわと染み込み始めたので一安心。声に音が溶け込んで織られるようになったら、もっと曲に広がりが出るようなものでした。
二曲目はメロディーが叙情的で、今までとは違った要素が入りつつもうつむきがちな陰を見せていてファーストの延長線上にあるかのような印象を受けました。気になる鍵盤の音があったのに、それを言葉では表現できない上に忘れかけてしまっているのが口惜しいです。頭にこびりついている「本当に美しいものは?」何だったのでしょう。
初めて恋をした、という内容のものはしあわせに満ちた曲で、今までのPBLとはちょっと違った世界観でした。人を含めた風景を切り取るというより、焦点を人にあてているかのよう。考えすぎずに笑顔になれる曲でした。
前回のライブで聞けた「おやすみ」という曲はラストにふさわしくて、上から当たる白いいくつもの照明から「降臨」という言葉が浮かんできました。何かがふわっと降りてくるようなイメージがあるのに、不思議と自分は押し上げられる、底上げされるような感覚。曲の世界はやさしくて分厚くて、母性に満ちたもので、音に包み込まれても不安になったりはしませんでした。曲が終わった後にもまだ耳に音が残っていて、それは生理現象として耳鳴りのように残っているというだけではなく脳にも余韻を残していました。どれだけ音が大きくなったとしても、うるさかったりわずらわしいと感じる種類のものではありませんでした。それでもなぜでしょう、かなしくなってしまいました。
トリだったので時間もたっぷりとあって計六曲、以前より全体的にやさしくなっているな、という印象を受けたと同時にそれだけかなしみも深くなっていると感じてしまいました。表立って言えない分、色も濃く、深くなってふり幅が大きくなっているかのよう。初めて聞いたこの曲たちがどう変わっていくのかとても楽しみで、どう人に届くのかを見るのも楽しみです。