センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)

同じテーマということで『ナラタージュ』のことを思い出しましたが、こちらはそれよりもぐっと大人の、あらゆるものをにじませておさえているようなイメージがありました。距離を持った二人の描き方が上手く感動的になりすぎないようにスパッと切ってある描写もあって、食べものがとてもおいしそう。川上さんの小説も、タイミングが合っていればものすごくどっぷりとはまってしまっただろうな、と今回も感じてしまいました。少し引いて見られるようになっても、単語のとじひらきが絶妙だなあ、と内容とはまた別のところで頷いてしまいました。