COUNTDOWN JAPAN 06/07

出かけるのが億劫になりながらも、なんとか海浜幕張へと行ってきました。


到着したら開演時間をすぎていたので、会場内をふらふらしてヨーのキングさんの歌声やザゼンの音を聞きながら、結局落ち着く場所がどこにも見つからずコスモステージへと足を運んでしまいました。けれどちょうどザゼンが終わったところだったらしく列。


RYUKYUDISKO
「Fight for Beat」はやっぱり盛り上がる曲だなあ、と生音と電子音との両方を味わいながら、お客さんのノリの違いも楽しんでしまいました。普段がどうなのかはわかりませんが、ライジングサンとまた違ったノリで、手を挙げて踊っているのが見ていてほほえましかったです。割合はげしめで、最後は向井さんまで出てきて大盛り上がり。人がどんどんと前に行くのがおもしろかったです。でもVJがないとちょっと物足りない。


見るものを決めていなかったのでふらふらして、パッフィーさんの歌声を耳にしたりDJブースを何度か通ってみたり、とても快適なフェスだなあとオレスカの音を聞きながらコスモステージへ向かおうとしたら、避けていたつもりが反応してしまいました、GRAPEVINE。コアな選曲だったらのめりこむ前に振り切っていけたのかもしれませんが、懐かしいものだったので、しばらくその場に縫い付けられてしまって身動きが取れませんでした。見る時はたっぷりとワンマンで世界にひたろう、と決めていたのに、彼らの持つ魔力に取り込まれてしまいそうになって、曲間にようやく我に返って思いを断ち切って背を向けました。


ランクヘッド
ラブマシーンで入場、マスクをして全身ガイコツタイツで最初から楽しむ、楽しませる要素満載! 楽しそうだし楽しかったし、お客さんが大入りというわけではなかったのですが、すっかり引き込まれてしまいました。最後に「カナリアボックス」を持ってくるところもまたずるい。


電気グルーヴ
FBYも見たかったけれど我慢して、待ってました電気でつくるグルーヴさん。とがっていた時期ならば全部インストで卓球は淡々とプレイしながら瀧は勝手に前方で踊っているということをしたかもしれませんが、いまや彼らも大人なのでそんなことはせず先日のワンマンが歌ものばかりだったこともあり、楽しませてくれるだろうな、と思っていたら見事その中間を提示してくれました。
富士山のかぶりものをして登場した瀧さんを見て、ああフジロックで見たかったなあと強く思いましたがみんなで大合唱しているのを見てここは幕張だったと気を確かに持ちました。キラーチューンの「Shangri-La」での盛り上がりは想像していたほどものすごくはありませんでしたが、若い人たちがいっせいにぐわっとテンションを上げられるのがわかってにやにやが止まりませんでした。ラストでやるかと思っていたので意外。それからゆるやかモードに入って「かっこいいジャンパー」、さらに「スマイルレス スマイル」、これがまた格好良い! 単に瀧さんのダンスを見せたかったという理由だけで選んだのではないのかという気もしますが、フジロックに行けなかったのでこれだけの規模のところで見られて大満足でした。「あすなろサンシャイン」で朗々と歌い上げる瀧さんも見られて、レアクティオーンの「東京の若者のすべてがここに集まっています」というアナウンスに多少時代性を感じながらも、そこに集まっているのがれっきとした「若者」だったので嬉しくなりました。ラストはきっちり聞かせる「虹」で、くだらない世界も見せながらこういう面もあるよとチラリズムさせる電気はさすが大人だなあと美しいメロディーに耳を傾けてしまいました。
この前のワンマンでもやっていたようにDJは主にTASAKAさんに任せて卓球は電子パーカッション状態でやりたい放題で、瀧さんはステージをあちこち行ってお客さんをあおってあおって盛り上げる。彼らが復活してくれて良かったなあとぼんやり思いながら、来年WIREも行きたいなあ、と抑制するはずのライブ活動について考えてしまいました。ただ、 確かアースにはスクリーンがあったのですが、それを使ってのVJがなかったのが残念です。映像があってそこに音がリンクしてループが生まれてうねりができていく、という渦も好きだったのでもったいない。「弾けないギターを弾くんだぜ」のあのプロモも見たかったです。


VOLA&THE ORIENTALMACHINE
スネオも聞きたかったのですが、うねうねした曲を聞きたくなってしまったのでボラを。相変わらずの気持ち悪さがあって、アヒトさんがちょっと叩いたりもして、癖があってもなぜだか見てしまっています。有江さんのベースもまた、たまらないものがあります。


DJブースでスケジュールを見ながら、せっかくKAGAMIさんや卓球などの異色DJがいるのだから彼らにも担当してもらえば良いのになあ、でもそれだと別料金が発生するから難しいのかなあ、この場でガッチガチのテクノも聞いてみたいのになあ、などと考えていたらHandsomeboy Techniqueさんが登場。かけられるのは普通のDJイベントでかけられるような洋楽のダンスチューンで、曲を知らなくても自然と身体が動くような、楽しいものでした。


CUBISMO GRAFICO FIVE
モーサムは我慢して見たかった彼らは想像していたよりも若く、かわいらしかったです。がっちがちかと思いきやさわやかで楽しい音で、何かを思うよりも自然と身体を揺らしたくなるようなものでした。そして後々知ったのですが、一昨日の町田さんのライブでもドラムの恒岡章さんを見ていたようです。世界が違うのでちょっとびっくりしました。


LOST IN TIME
ワンマンに行けなかったことを強く後悔しました。渾身、という表現がぴったりのステージで、形態がどんなものになったとしても海北さんの歌声が変わることはなく、そこから発されてほとばしる感情、にじみでるものは人をひきつけるものがありました。鍵盤が入って世界に広がりが出ていて、ベースを持つ姿を見られないのはさみしいですが、格好悪くても進んでいくことしかできない情けなさやその色気など、年をとるとともに出てくる哀愁もあって、これからどう変わっていくのかも楽しみになりました。


アースに向かう途中で聞こえてきたのはシュノーケルの「波風サテライト」、うーん着実にステップアップしてるなあ、なんてことを思いながら人が次々と吸い込まれていく扉をくぐりました。


東京事変
世界ががらりと変わる、塗りかえられてしまうステージでした。その曲が描かれる世界の中に迷い込んでしまったかのような戸惑いまで覚えて、それぞれの楽器の音が絶妙に絡み合うので酔ってしまいそうでした。イメージ戦略もあってか浮かんでくるのは漢字の熟語ばかりで、卑猥だとか低俗だとか高級娼婦だとか、単語をもてあそぶ作業も楽しかったです。「丸の内サディスティック」を聞けたのも嬉しくて、少しの時間だけでは広げきれない世界を味わいたくなりました。いつかワンマンを見てみたいです。


事変が終わるとコスモへ走る人がたくさんいて、ちらっとだけASPARAGUSを見ました。三人なのに音が厚く、声も切実さをともなっていて気になる感じではあったのですが、感傷にひたるほど彼らを知っていたわけではなかったので、結局最後はムーンに足が向いてしまいました。DJブースを通るとアロウズの「ナイトコール」がかかっていて、たくさんの人たちが踊っている姿を見てにやにや。


ザ50回転ズ
きちんと音源を聞いていなかったので、奇妙でひねくれている感じなのだろうなと思っていたら、これが、突き抜けるほどに正直な、楽しい音楽でした。テンポが速いものの身体を動かさずにはいられないものばかりで、考える暇なんてないぐらいに次々とリズムが押し寄せてきて、馬鹿なんだけど楽しい、それはそれってことで良いじゃない、と言うぐらい笑ってしまうライブでした。お客さんの盛り上がり方もすごくて、ああこれがフェスだ、と最後にして感じる瞬間がありました。清志郎さんの「雨上がりの夜空に」もあってみんなで大合唱、そしてそれを力強く受け止めてくれる三人、演奏もしっかりしているので聞き応えもあって単純に楽しむことができました。アンコールでは「SATURDAY NIGHT」も演奏されて、わけがわからないけれど身体が動いて、ノンアルコールなのにあはは楽しいやあははとお花畑にいるような気分になってしまいました。


慣れないことをしたので終わってからどっと疲れがまわってきて、ふらふらとDJブースを通ったら「TRAIN TRAIN」の大合唱、こういうフェスの楽しみ方も良いよなあとぐるっと回ってCaravanのステージを見に行き、ふと見るとソウルセットのTシャツを着たお姉さんがいて、思わず話しかけたくなりましたが我慢。後ろの方はかなり閑散としていましたがやさしいピースフルな音楽を少しだけでも聞けてしあわせな気分になりました。そんなしあわせを携えて寒さをこらえながらの帰り道に、衝撃的な再会をすることとなったわけです。


その他、おみくじを試しに引いてみたら大吉でがっくり。おすすめライブみたいなところに地元でやるスカパラのことがあって行きたかっただけにがっくり、ゲストの欄も見てがっくりでした。吉くらいでちょうど良いのに。そして家に帰ってきてクイックレポートを見て、客観性を持たせるライブのレポートをその場で書くのは大変なのだなあ、としみじみ。