祝福

祝福

装丁が可愛らしく、図書館で手にしてみたら新作でした。女性作家による恋愛を含めた短編集、ということで甘い部分もありつつ、動物の、特に猫の死に関する描写がある作品については個人的な経験が勝手に押し寄せてしまうのでアンテナは壊れっぱなしにしておきました。野中さんは猫の出てくる作品が割とあるみたいなので、内容がどう、という感じ方はできないかもしれません。それでもそれぞれの作品の中に通ずるテーマのようなものがしっかりと存在していて、恋愛面もあるので当然「結びつく」ということも取り扱ってはいるのですが、「切れる」ということに関してもうっすらと描かれていて、切ない気分になってしまいました。人と人との「縁」がさりげなく記されていて、年齢を重ねるごとに結ぶより切れることの方が多くなっていくためか思いが色々なところへと拡散してしまいました。