蓮沼*2

そこそこの早起きで野音へ行くと列が出来ていて、想像していたよりは人が少なく結構前の方の席をもらうことができました。入場のシステムはというと、人数を言ってその分の座席指定のチケットをもらうので入ったらダッシュして場所取りをする人や、友達の分まで取っておくことができないようになっていたので練られた案でした。出る時にチケットを渡して、それが入場待ちの人に渡る、という形式でした。開場を早めたものの入場にそこそこの時間がかかって、並んでいた人たちがとりあえず入ったのは開演ちょっと前だったかもしれません。立ち見の方もそこそこいて、入場規制がかかったかどうかはまだわかりません。


記憶も曖昧ですが、明日は明日で違うことに頭を使いそうなので一行ほどのメモと、後ろにバンドをやっている大学生〜社会人ぐらいの男の子たちが楽器や演奏法などについて語っていて聞くのが面白かったのでそちらも思い出してみることにします。以下、カッコ内は盗み聞きをまとめたもの。眠いので誤った情報があったらすみません。


スカポンタス
日差しが強い中元気なホーンの音が突き抜けていって、かけあいもやはり楽しくMCも面白かったです。ドラムを乗っけている台を動かしやすくするためなのか床が滑りやすくなっているらしく、こけそうで恐いと言っていました。


WALKABOUT
良い声。日差しの強さと眠気とで少しふらふらとしてしまいまいた。


No Regret Life
哀愁のある声と力強いリズム。


ANA
メンバー三人+専属カメラマン一人に釘付け。今日も全身真っ黒でフードを被って仮面をつけて白い手袋をして撮影していました。スケボーに乗って登場する大内さんの補助をしていました。もしかするとメンバーよりもカメラマンさんの方を見ていたかもしれません。
ドリルギターも好調で、大久保さんはサンプラーで遊びながら激しい激しい。曲が長いせいか今までは四曲だったのですが、ANAは三曲だけでした。
(後ろの方々の話。気に入ったらしくアルバム買おうと言っていた人がひとりいて、スチャダラみたいなトラックが出てくるのに、そこにラップがのらないところが良い、とのことでした。歌が上手くないところや、色んな音を遊びながらサンプリングしていることについても語っていて、大内さんのプレイスタイルが格好良かったと評していました。それを聞きながら終始にやにや。他にも高校生ぐらいの子たちが終わった後に「ANAかっけー」と言っていて、それにも平然とした顔をしながら内心ニヤニヤ。)


NIRGILIS
機材トラブルがあったのかセッティングに少し手間取っていたようでした。一昨日に続いてアッチュさんはパワフル、さらに今日もやっぱり「真夜中のシュナイダー」でベースがびんびんと響いてきました。
(ドラムすごい。あれはすごい。一人ドラムを担当しているのか、曲にのるよりもプレイを見てしまうと言っていて、おそらくその人の発言。)


シュノーケル
メガネ!メガネ!メガネ!
久しぶりに見たらベースの方の眼鏡が赤ではなくなっていました。結構ベース音が響いてきて、最後に眼鏡が外れるほど激しく演奏している横顔を見ていたら永友さんに似ていて、そういえば恵比寿ではキャプストがライブだった、と別なところへ思いが飛んでしまいました。シュノーケルは気になる音を奏でる人たちではあるのに、ぐっと引き込まれることはなくて、一年に一回何かのイベントでその成長ぶりが見られれば良いかなあ、と距離の取り方がなんとなくわかってきました。シュノーケルから持ち時間が増えたのか、五曲。


BaseBallBear
タンバリンが置いてあったのに、湯浅さんのハッスルタイムがなかったのでちょっと残念。関根さんの声が不安定だったのでハラハラしながら、最後の「ELECTRIC SUMMER」はやっぱり楽しかったです。


ミドリカワ書房
J-POP界の無頼派緑川さん、ハマショーで入場してからナレーションMCでまずは一笑い、そして「顔2005」。今回はサックスのにしやんがいなかったので脳内で音を補完させて聞きました。「それぞれに真実がある」でしんみりさせたので、後は明るいものだろうなと思っていたら、インスト曲となってしまった「母さん」が始まって、初めて聞くひとはどんな感想を抱くのだろうかと後ろが気になってしまいました。ラストは恒例となった「チューをしよう」で、コールアンドレスポンスは無し。曲が終わった後にナレーションが入って、携帯で客席を取って終了。さっそく彼のブログに掲載されているようです。そういえばはけるときに側転していました。
(ひどい。あの演奏とあの歌声でひどいことを歌っている。でも演奏すごくない? スタジオミュージシャンとかじゃないの? 他の曲も全部あんな感じなのかな? 壮大なのに「母さん」とか本当救いがない歌詞で、一回聞いただけなのに覚えちゃったよ。「法律に消される」って直接言わないところがまたひどいよな。やっばい今日一番の収穫かも。等々、サポートはソウル・ガンボの人たちでガンボ堂と呼ばれていますよ、他の曲も大体あんな感じですよ、と言いたいことはたくさんあれど我慢。)


DEPAPEPE
ま、まさか! 一番の驚きは彼ら、というよりもその奥でした。今回は二人だけではなく鍵盤とベースとドラムが入ってのバンド編成だったのですが、そのドラムがなんと玉田豊夢さん。唖然。きちんとした演奏が始まるまで、何人かで軽くジャムってみたりしてその流れが楽しくゆらゆらとずっと聞いていたかったです。歌う二本のギターは今日もやわらかくしなやかで、その上リズムが入っているので太くなっていました。かけあいがほほえましくて自然と頬がゆるみました。


メレンゲ
この頃から照明が意味を持ち始めて、逆光のようにシルエットが浮かび上がるシーンが印象的でした。今日はクボさんの声が少し危うくて、声も演奏にかき消されてよく聞き取れなかったりしたので脳内景色に取り込まれることなく、目の前のシーンを見続けることができました。野外で夕方に聞くきらきらした世界は味があって、「バスを待っている僕ら」も放っておいたら何事か湧き上がっていたかもしれません。最後が「すみか」で、実は今までさほどこの曲にくらっときたことはなかったのですが、今回は曲に虫の音が入り込んできて、まるでストリングスを奏でているかのようで、幻想的な世界を引き立たせていました。寒さだけではなく、ちょっと鳥肌も立ちました。
(最後の曲って「すみか」? あれで終わったからなんか駄目かもしれない。と、いう後ろの人の話を聞いて私ももう一曲ぐらいテンポの速いものをやって終わるかと思っていたので、そうかーとしんみりしてしまいました。でも「すみか」を野外で聞けて良かったです。)


B-DASH
おそらく一番のノリと盛り上がり。どれだけ激しくても演奏も声もぶれないのがすごい、生で聞いた歌声は意外にかわいらしく、野太さではなく厚さというのも少し違う、しっかりとした土台のあるものでした。前につめかけた人たちでライブハウスっぽい盛り上がり。
(今までの中で一番安定してるから安心して聞けるんだけど、予定調和っつうのか何だか物足りなく感じちゃうんだよな、とライブ初見だった私はなるほどと納得。)


フジファブリック
もしかして、と思っていました。昨年もこの時期のライブで演奏してくれたので、もしかしてと思っていました。しかも今回は野外で、公園内にいくつもある木が花を咲かせて、ライブを聞いている途中でもお香のようにふわっとそのかおりが運ばれてきては何度も気持ちを揺さぶられていたので、この中で聞いたらどうなってしまうのだろうかという心配さえありました。が、「赤黄色の金木犀」が披露されることはありませんでした。
最初から盛り上げてくるだろうなという予想に反して、照明の気持ち悪さと相俟って不穏さ倍増の「打ち上げ花火」、けれどこの前のようにぞくぞくするというところまではいきませんでした。「追ってけ追ってけ」ではディレイの部分を山内さんが歌っていたので妙な感じ。久しぶりに聞いた気がする「モノノケハカランダ」は激しく格好良いもので、その流れに乗って最後は「銀河」でした。盛り上がっていたけれど、期待があっただけに残念です。順番が良くなかったのかしら。
MCでクリスマスに渋公でライブがあって、やっと解禁になったので言えると志村さんが言っていたのですが、「渋谷CC.Lemonホール」に改称されたと最近知ったらしく、どうせなら「杉並公会堂」にすれば良いのに、とよくわからないことを言っていました。ちなみに金澤さんは明後日から入院するそうです。


TRICERATOPS
この人たちはすごいな、とライブを見る度に違うことで妙に感心してしまいます。出演者も若いのでお客さんの年齢層も結構低くて、もしかしたら彼らのことをあまり知らない人たちだっているかもしれないのに、ぐいぐいと引き込んでいって、自然と最後は笑顔になっている、不思議な魅力がありました。三ピースで骨太な音と愛嬌たっぷりの和田さんお歌声。「Going To The Moon」や「ロケットに乗って」で挙がる拳が綺麗だったので、思わず後ろをじっと見つめてしまいました。新曲の「僕らの一歩」も再び聞けて、こういうミディアムな曲でも好きなように踊って欲しい、と和田さんが言っていて、昏さは沈めてきらきらした瞳で見える世界はどんなものなのだろうかと彼の目が気になってしまいました。こういうイベントで彼らがトリで、とても良いな、と素直に感じました。


出演者が多かったのでシークレットもなく、演奏も三・四曲だったり短かったのですが、無料でここまでのものを見せてもらったら文句の一つも言えません。ボランティアスタッフさんの教育も行き届いていて、倒れたりする人もいましたが大きな混乱が起きることもなく、何事もスムーズに進行していたようでした。フェスのようにオールスタンディングでも良かったのですが、長時間だったので椅子があった上になだらかなスロープがあるので見やすく、スペースが決められているので安心して自分のペースで見られるのはありがたかったです。新たな発見が!ということはありませんでしたが、見たかった人たちがたくさんいたので大満足です。
少しで終わらせるつもりが、いつものように後ろへ行くに従って長くなってしまうという悪い癖が出てきてしまいました。