「や」はひとまず置いて、よくよく見たら
山田正紀さんは他の作品をちらっとさらってみたことがあったので50音からは脱線。話があっちへ行ったりこっちへ行ったりフォントも人称も変わったり、頭の中を揺さぶられて意図のわからない悪夢を見させられているかのよう。あとがきで『
マルホランド・ドライブ』の名前が出てきていて、まさにそんな世界観でした。謎をといているのに読んでいるこちら側までその
はてなが侵食してくるようで、首を傾げても考えてもわからないまま、でもそのわからなさが癖になりそうでもありました。ミステリー系はあまり読まないので新鮮な気持ちでぐるぐると煙に巻かれて、狙い通りなのか再びリンチの作品を見たくなってしまいました。