ERA 4th Anniversary

いろいろあって遠まわしの説教を受けていたら七時、どうしようかと迷いながらも足は自然と下北へ向かっていました。小走りにERAへ向かうと、ちょうどPBLが始まるところでした。


PaperBagLunchbox
自分がどうなってしまうのかわかりませんでしたが、整理をつけてきたせいか意外と冷静でいられました。赤みはひいてきたものの目が疲れているので半分くらいまぶたを伏せながら、視覚以外のもので音を味わいました。
「スライド」を聞いても歌詞の意味をなぞっても大丈夫、現実をきちんと認識していたせいか飲まれることはなく音にくるまれて、狭まっていた想像の幅が少し戻って「ふらつく夜の」ではまなうらに情景を思い浮かべることができました。
今までは曲の描く景色の中に笑顔があっても、そこにある影の部分まで映しているような、あるいは逆光でその表情まで掴み取ることができないかのようなイメージがあってそこが好きでもあったのですが、変拍子っぽい新曲では違ったアングルから表情をとらえていて、やわらかさとともに自然な笑顔がにじんでいるように思えました。しかも聞くたびに曲が優しくなっていて、カチカチするようなリズムがあっても楽しいという感情に身を委ねられました。曲の最初の方で中野さんがとてもうれしそうにステージを歩くのが好きで、今日は閉じていた目をふと開いてみたら中野さんの笑顔がそこにあって、思わずふわっとすくいあげられるような錯覚を抱いてしまいました。
明日このままの状態で大人計画を見てしまったら取り返しのつかないことになりそうという部分があったので今のうちに感情の揺らぎをもっと大きなものにしておきたかったのですが、最後の曲のこともあって少し肩から力が抜けて棘が抜けてしまったので、予想外ながら自然と表情を緩めることができました。


avengers in sci-fi
せっかく落ち着いたのにぼんやりとしていたらアルコールのせいか現実から思考が乖離し始めて、そうかと思ったら今度はとても現実的なことを考え始めてしまってこのままだと楽しめないかも、せっかくかわいくもおしゃれな音楽があるのにまったく反応できないなんて、合う合わない以前の問題で、瞳も気持ちも焦点が合わなくてあんなことは初めてでした。
そのため楽しめないのも失礼だしもう帰ろうかなと思っていたら、セッティング中のベースから聞こえてきたのは加工された音。既に演奏は終わったのかと思っていたけれどもしかして、と足を踏ん張ってその場に留まってみたら、以前見て気になっていたavengers in sci-fiでした。
ひねくれた音と激しいのに淡々とした音に反応してしまって、おぼろげながら記憶に残っている曲もあって、ぐわんぐわん変わるベースの音を耳でよく味わって、最初は少し気になる程度だったのにいつの間にか気持ちの焦点が合ってきていて音源を買ってしまおうかと思うほどになっていました。音を飲みながらのまれながら帰らなくて良かったと短時間の無気力に感謝を。
8月にはファーストフルアルバムが出るということで、忘れてしまわないようにメモ。


帰りの電車でPBLを聞いて、曲の隙間の無音で意識を外へ向けたら右隣の人も左隣の人も斜め前の人も白いコードのイヤフォン、そして右隣のイヤフォンからは別のリズムが聞こえてきて、何ともいえない感情が再びゆらゆら。まあ、何はともあれ今日が金曜で良かったです。