メレンゲワンマンライブ「すみか」

金曜に続いて本日も山手線がちょっと止まって間に合うかドキドキ。渋谷を早歩きで人の波を縫ってクアトロまで。
閉じる前にちょっとしたニュースを。6月4日、リキッドルームでワンマンをするそうです。AXかと思っていたのでちょっと意外でした。

前回見た時は名前ぐらいしか知らなくて、曲も少ししかわからない状態だったのにもかかわらず意外に太い音に魅せられてしまいました。今回は音源も聞いて好きになった曲もあったので、ちゃんとわかった状態で聞けるという準備も万端でした。まずはこれだけでもメモ、かわいらしいのにちょっと切ない「彼女に似合う服」が聞けたのが嬉しかったです。

どんなに激しいものでもどんなに心をつかまれる内容でも、ふとした時に私は現実的なことを思ってしまう瞬間があって「ああ」と足元を見てしまうことがあるのですが、メレンゲのライブはいつもとは別なことを考えてしまいました。決して嫌ではない、不思議な感覚。
何度も繰り返して聞くぐらい気に入ってしまった「タイムマシーンについて」が演奏された時、歌詞が頭の中に入り込んできてドキッとしながらもそこから広がる別世界に思いをめぐらせてしまって、目の前で演奏されていてそれが耳から入ってきているのに、頭の中では全然別の物語が展開されていて、まったく私の知らない景色が広がってその情景のBGMとして曲が流れていました。不思議な不思議なインスピレーション。
はかなげなのに弱くはなくて、音が厚いのに繊細で、ふわふわしているようで芯が通っている、優しさだけでは構築されていない曲の世界に引き込まれてしまって、また音を聞きながら何度も別の情景を思い出してしまいました。男女ではなく男の子と女の子になって、あの頃のことを懐かしく感じたりするのは自分がもうその姿にはなれないとわかっているからで、投影しながらも自分の影をたどるとそこに現実の姿があるということも知っている。もどかしくて歯がゆくてもう手が届かないとわかっている、そんな気持ちにもなりました。あわいあわい思い出と、捏造されたような記憶と、新たに作り出される情景が幾重にも重なっていました。愛ではなくて、恋について思い出すような、やわらかでしなやかで強い強い音楽。
そして今回も照明に吸い寄せられてしまった部分がありました。青いライトがストロボのように点滅したり、同じ大きさの白いライトが半円球状にいくつもいくつもステージ上を照らしているところは宇宙船と言うか潜水艦の中にいるかのようで、はぁぁと息をもらしてしまうぐらい幻想的でした。
新曲の「カメレオン」は思索系のもの、ということで歌詞に注意して耳を傾けました。曲は今までのメレンゲらしいもので、歌詞もまた、やわらかで優しいだけではない繊細なところがあって、しっかりした女の人なら「あんたもっとしゃんとしなさいよ」と言いたくなるような部分もありますが、へたれの私は痛くも身に染みるものでした。


私にとってメレンゲの曲は過去を思い出すだけではなくて全く別のシーンを思い浮かべたりして、新たなインスピレーションをくれるもののようだと今日気がつきました。アロウズとの対バンライブで実際に見ていなければ今日あの場にいなかっただろうし、曲も聞いていなかっただろうことを考えると、縁と言うものの不思議さもまた感じています。


そして「FULL BASE☆1up!」というイベントライブのチケが会場売りされていて、ミドリカワ書房も出て他にも気になる人たちの名前を見つけたので買ってみたらものすごい整理番号が早くてびっくりしたのですが、五時半開場に間に合うはずもなく開演にさえ行けなさそうなのでまったくもって意味がありませんでした。でも何とか早めに切り上げたいところ。