『THE 有頂天ホテル』*2

ネタバレ部分も特にないですが、閉じる前に個人的に釘付けだったことだけ。かかかかか、梶原さん、す、素敵……。
実は言うと今までの三谷さんの映画作品に対してあんまりかなあという印象を抱いていました。確かにくすっと笑ったりニヤニヤしたり、楽しんではいたのですが、なんだか物足りなく感じてしまって、他の監督の作品と比べると首を傾げてしまう部分もありました。
でも、今回の作品について言えば、映画寄りというよりも舞台に近くて、長回しがあったせいかほどよい緊張感も見ていて感じることができて、二時間たっぷりと楽しむことができました。以前フジで放映していたシチュエーション・コメディの「HR」の形式に近くて、勘違いが勘違いを生んだり関係のないところに繋がりができたり他の作品のものがちらっと出てきたり、よりライブ感が出ていて手に汗にぎる部分もありました。たぶん今まで私がひっかかっていたのは、ストーリーに注目しすぎてしまったからなのでしょうが、今回はストーリーよりも細部にたくさんの遊びがあって、あちこち目を奪われながらもぶれすぎない幅が心地良かったのかもしれません。
個人的ポイントとしては、閉じる前にもらしてしまったように、髪型でこうも印象が変わるのかという人がオダギリジョーでも唐沢でもなくて、梶原善さんでした。何あの妙な色気、と彼が出るシーンでは思わず凝視してしまいました。

芝居やドラマは好きだけど、今までの映画作品は苦手だったという人に見てもらいたいです。